P&Gが2019年第2四半期(12月期)の決算を発表しました。
P&Gの2019年第2四半期(12月期)決算
- EPS:1.25ドル(予想:1.21ドル)
- 売上高:174.4億ドル(予想:171.5億ドル)
- ガイダンス:FY2019 EPS +3〜8%(4.35〜4.56ドル)(予想:4.42ドル)
- ガイダンス:FY2019 売上高 -1〜1%(668.3億ドル)(予想:668.3億ドル)
P&Gの2019年第2四半期(12月期)の決算は、EPS・売上高・ガイダンスのすべてでコンセンサス予想を上回りました。
売上高自体は前年同期比でほぼ同じでした。またオーガニックの売上高成長率は+4%となり、製品の値上げが+1%寄与しました。またスキンケア製品が特に好調でした。
P&Gのセグメント別売上高
セグメント別の売上高推移です。
四半期の傾向としては今回の第2四半期が最も売上高が大きいですね。12月のホリデーシーズンの影響でしょうか。
セグメント売上高で最も大きいのは家庭用洗剤と掃除関連のFabric & Home Careセグメントです。こちらは前年同期比で+2%の伸びでした。
最も成長率が大きかったのはSK-IIとOlayを含むBeautyセグメントで、+4%の伸びでした。これらスキンケア製品は非常に好調なようですね。
反対に売上高が大きく下がったのは剃刀のジレットを含むGroomingセグメントでした。こちらは-9%の減収でした。
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セグメント別のオーガニック売上高成長率
セグメント別のオーガニック売上高(企業買収・売却や為替の影響を除いた、本業のみの売上高)の成長率推移をみてみましょう。
こうして並べてみると、四半期ごとに結構上下に動いていますね。安定して成長するイメージはあまりなさそうです。
その中でも赤で示したBeauty部門は17Q4あたりから+5%の成長率をキープしており、P&G内で成長の牽引役になっているようですね。
Health Care部門とFabric & Home Care部門もここ最近はプラスの成長率で推移できています。反対にBaby, Feminine & Family Care部門とGrooming部門はマイナス成長が目立ちますね。
特にGrooming部門は19Q1を除いて低迷しています。これはDollar Shave Clubに代表される剃刀関連のスタートアップによる影響でしょうね。
今回のP&Gの決算はBeauty部門の好調さもあって好決算でしたね。Grooming部門はちょっと心配ですが売上高全体の割合では最も小さい部門ですので影響は限定的でしょう。
ただ今後の米国の景気が傾いてくると、SK-IIのようなプレミアム・スキンケア製品の好調さを維持するのが難しくなってくる懸念がありますね。洗剤やヘルスケア製品に比べるとちょっとディフェンシブ感が弱いかもしれません。
2019年度の売上高ガイダンスも-1%〜+1%となっており、早い話が±0%の売上高成長を見込んでいるわけで、あまり成長は期待できない年になりそうです。引き続き景気後退の兆候には要注意ですね。