NVIDIAが2019年第3四半期の決算を発表しましたが、残念な内容となってしまいました。
NVIDIA(NVDA)の2019年第3四半期(10月期)決算
- EPS:1.97ドル(予想:1.92ドル)
- 売上高:31.8億ドル(予想:32.4億ドル)
- ガイダンス:Q4 EPS 1.32〜1.49ドル(予想:2.01ドル)
- ガイダンス:Q4 売上高 26.46〜27.54億ドル(予想:34億ドル)
NVIDIAの2019年Q3決算は、EPSがコンセンサス予想を上回るものの売上高とガイダンスが予想を下回りました。
この決算を受けて、時間外取引で株価が-16%も下がっています。
前期(2019年Q2)の決算発表も下記のように良くない内容でした。二期続いて決算をコケてしまってますね。
この決算で発表されたQ3ガイダンスは以下の通りです。
- ガイダンス:Q3 EPS 1.85〜2.02ドル(予想:1.99ドル)
- ガイダンス:Q3 売上高 31.9〜33.2億ドル(予想:33.4億)
これと今回の決算を比べると、EPS1.97ドルはガイダンスの範囲内ながら、売上高31.8億ドルはガイダンス範囲を下回ってます。それだけQ3の売上高は厳しいものだったのでしょう。
半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ(AMAT)決算も弱い
アプライド・マテリアルズの2018年Q4(10月期)決算も発表されました。
- EPS:0.97ドル(予想:0.97ドル)
- 売上高:40.1億ドル(予想:40.1億ドル)
- ガイダンス:2019年Q1 EPS 0.75〜0.83ドル(予想:0.93ドル)
- ガイダンス:2019年Q1 売上高 35.6〜38.6億ドル(予想:39.6億ドル)
アプライド・マテリアルズのQ4決算はEPS・売上高がコンセンサス予想と一致でしたが、Q1ガイダンスではEPS・売上高ともに予想を下回りました。
こちらの決算でもやはり今期の収益見込みは厳しいようで、半導体関連の企業は今期はガクッと収益が下がりそうですね。
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NVIDIAの決算内容
もう少し詳しくNVIDIAの決算内容を見てみます。
セグメント別売上高(単位:百万ドル)
主力のゲーミング部門は+13%で17.64億ドルでした。これは市場予想の19億ドルを下回りました。GPUではPascalに過剰在庫が発生しているようで、数ヶ月かけて在庫解消していく予定です。
また機械学習などで使われるデータセンター部門は+58%と大きく伸びて7.92億ドルでした。ただこちらも市場予想の8.2億ドルを下回りました。
その他、Professional Visualization部門とAutomotive部門もプラス成長でした。
一方でOEM&IP部門は-23%と減収となりました。主に仮想通貨マイニング需要の減衰が原因のようです。これは前期決算でも同じでした。
四半期ごとの売上高では頭打ちが見えてきた?
四半期ごとの売上高の推移です。
青のゲーミング部門は2018年Q4あたりから売上高がほぼ横ばいですね。
データセンター部門はまだ成長ですが、徐々に成長度合いが鈍化してきているようです。
またトータルの売上高も右肩上がりから水平になってきていますね。
NVIDIAとしても何か新たな成長ドライバーが欲しいところでしょう。
先日発表のTuringもありますし、機械学習や自動運転車などでGPUには確実に高い需要があるのは間違いないと思います。
さらに5Gネットワークが開始されれば、5G経由でGPUリソースにニアリアルタイムにアクセスできるため、モバイル向けにもGPUサービスを提供できると期待されます。
またIoTのようにエッジ端末自体にGPUを組み込む需要もあり、将来的にはあらゆる場面でNVIDIAのGPUが活躍するのではと想像しますね。
今期の先行きには不安が募る決算でしたが、NVIDIAの将来性には引き続き期待しております。