アドビが2019年第1四半期決算を発表しました。ガイダンスの弱さが気になる内容でしたね。
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前回(2018年Q4)の決算
前回(2018年Q4)の決算内容を振り返っておきましょう。
- EPS: 1.83ドル(予想:1.87ドル)
- 売上高:24.6億ドル(予想:24.3億ドル)
- ガイダンス:2019年度Q1 EPS 1.60ドル(予想:1.87ドル)
- ガイダンス:2019年度Q1 売上高 25.4億ドル(予想:25.2億ドル)
- ガイダンス:2019年度通期 EPS 7.75ドル(予想:7.97ドル)
- ガイダンス:2019年度通期 売上高 111.5億ドル(予想:108億ドル)
前回はEPSがコンセンサス予想に届かず、またガイダンスでもEPSが予想を下回っていました。
好決算とは言えない内容が気になりましたね。
アドビの2019年第1四半期決算
- EPS:1.71ドル(予想:1.62ドル)
- 売上高:26億ドル(予想:25.5億ドル)
- ガイダンス:Q2 EPS 1.77ドル(予想:1.82ドル)
- ガイダンス:Q2 売上高 27億ドル(予想:27.2億ドル)
- ガイダンス:2019年度EPS 7.80ドル(予想:7.77ドル)
- ガイダンス:2019年度売上高 111.5億ドル(予想:111.6億ドル)
アドビは今回の決算より会計基準をASC605からASC606に変更します。上の決算内容はASC606の方で記載しています。
アドビの2019年第1四半期決算は、EPSと売上高はコンセンサス予想を上回りました。
一方で今期(Q2)と今年度のガイダンスについてはコンセンサス予想を下回る内容でした。
前回の決算でも、EPS・売上高・ガイダンスの全てで予想を上回る好決算を出すことができませんでしたので、これで2期連続で決算をミスしたことになりますね。
今回の決算を受けて株価は-4%近く下落となりました。
相次ぐ買収の効果がでるのはまだこれから?
アドビは2018年に2件、今年に入ってからは1件の買収を実施しています。
ECプラットフォームMagentoを16.8億ドルで買収
マーケティング・オートメーションのMarketoを47.5億ドルで買収
3Dテクスチャ技術のAllegorithmicを買収(金額は非公開)
今回の決算を見ますと、2018年に買収したMagentoとMarketoがまだアドビの事業に貢献できていないのではと思いますね。
一方で2019年度のEPSガイダンスを見ると、前回発表の7.75ドルを7.80ドルに上方修正しています。このことは、先の2件の買収効果も含めて年度後半の成長にアドビは高い期待を抱いているのではないかと思います。
セグメント別売上高の推移
売上高はDigital Media部門が全体の7割ほどを占めています。ここまで毎期ごとに売上高をしっかり伸ばしていますね。
Digital Experience部門は売上高の3割弱といったところです。こちらも売上は成長しています。
Publishing部門は全体の3%ほどですね。あまり重点を置いていない事業かと思います。
買収したMagentoとMarketoはどちらもDigital Experience部門に属しています。買収効果がはっきり出始めれば、この部門の売上高にも効果が現れてくるのではと期待しますね。
アドビは私も投資している企業ですが、2期連続での決算ミスは良くない傾向ですね。基本的に決算の良い企業へ投資をしたいと考えていますので、アドビについては保有数を減らして他の企業の投資に回すつもりです。
アドビのガイダンス通りに年度後半に再び成長の兆しが見えてきましたら、そのときにはまた投資を検討したいと思います。