ペプシコがソーダストリームを買収意向であると発表がありました。ペプシコとしてはより健康志向なドリンク事業へのシフトを強める狙いがありそうです。
ペプシコ、32億ドルでソーダストリームを買収へ
米食品・飲料メーカー、ペプシコは家庭用炭酸飲料マシンを手がけるイスラエルのソーダストリーム・インターナショナルを32億ドル(約3530億円)で買収することで同社と合意した。健康志向の高い消費者の獲得が狙い。
報道によればペプシコは32億ドルでソーダストリームを買収することで合意に達しているようです。
ソーダストリームは家庭で簡単に炭酸水を作ることができるソーダメーカーを販売しています。私も家で愛用しています。
ソーダストリームのビジネスは上のソーダーメーカーの販売のほかに、ソーダ用シロップや専用ガスシリンダーの販売も手がけています。
ガスシリンダーはガスが無くなれば交換する方式です。ソーダストリームのソーダメーカー専用ですので、ある意味ではカミソリの替刃やコピー機と同じビジネスモデルですね。
ソーダストリームのマシンを使うには、二酸化炭素カプセルや別売りの味付きシロップが必要になる。ソーダストリームは顧客の囲い込みに成功し、通期見通しを最近引き上げていた。
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ソーダストリームの買収は健康志向とサステナビリティの強化
ソーダストリーム買収の目的の一つは、昨今の健康志向への対応ですね。ココ最近は砂糖過多な炭酸水は敬遠され、LaCroix(ラクロワ)のようなヘルシーさをアピールした炭酸水が支持を集めています。
ペプシコ自身も人工甘味料を使用しないゼロカロリーの炭酸水Bublyをリリースするなど、健康志向へのシフトを進めていました。
今回の買収でポートフォリオに強力な炭酸水が加わることになりそうです。
もう一つの狙いとしては、環境のサステナビリティにアピールすることでホーム市場を新たに開拓することが挙げられます。
買収の狙いの一つはホーム市場の営業力の強化がある。消費者が生鮮食品をオンラインで購入する傾向が強まるにつれ、Pepsiはホーム市場開拓の方策を探っていた。PepsiのCFO、Hugh JohnstonはCNBCのインタビューに対し、「われわれはこれまでタッチしていなかった新たな市場に参入する。ホーム清涼飲料水市場だ」と語った。
これにはサステナビリティーも大きく関係している。消費者は環境に大きな負荷をかける使い捨て容器からSodaStreamが提供するような繰り返し利用できる容器にはっきり移行しつつある。失敗したKeurig Koldに比べて、消費者のこのトレンドはソーダストリームに追い風だ。
先程触れましたがソーダストリームは専用ガスシリンダーによる定期交換を前提としたビジネスとなりますので、ソーダーメーカーを持つ家庭とのコンタクトを持つことができます。
ペプシコは飲料水の他にスナック菓子も持っていますから、ソーダに合うヘルシーなスナック菓子もセットでアピールする、といったマーケティングも今後は可能になるでしょうね。
買収報道を受けてソーダストリームの株価が急騰!
今回の報道を受けて、ソーダストリームの株価が9%ほど急増しました。
もともとソーダストリームは好業績で株価を上げていましたが、そこからさらにジャンプしましたね。
ソーダストリームの株価は今月に入って49%上昇。通期の増収見通しを23%に引き上げたほか、1-6月期決算が市場予想を上回ったことが背景。20日の米株式市場では一時10%高。
今回の買収は両社にとってポジティブな効果をもたらしそうです。ペプシコのライバルであるコカ・コーラがこの買収を見て何か動きを見せるかが気になりますね。