ペプシコの四半期決算と2017年通期の決算が発表されました。決算内容からは北米事業の苦戦が伺えます。その状況を打破するカギは健康志向ブームへの取り組みにありそうです。
ペプシコ(PEP)の四半期決算
PepsiCo beats by $0.01, beats on revenue - PepsiCo Inc. (NYSE:PEP) | Seeking Alpha
- EPS:1.31ドル(予想を0.01ドル上回る)
- 売上高:195.3億ドル(予想を1.4億ドル上回る)
- ガイダンス:2018年通期EPS 5.70ドル
ペプシコの四半期決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。前回の四半期決算は売上高がコンセンサス予想に届きませんでしたが、今回は好調な内容でしたね。
前回の四半期決算
チャートで見る決算内容
前年同期比の四半期決算 & 2016 vs 2017(単位:百万ドル)
四半期決算と年間決算を前年と比較したチャートです。どちらも前年より微増でした。
地域別の年間売上(単位:百万ドル)
2017年の年間売上高について、大きく4つの地域で比較してみます。
最も売上の大きい地域はやはり北米で、全体の約62%を占めていました。ラテンアメリカが約11%程度で、両地域を合わせて売上高のおよそ4分の3を占めていますね。
売上高が2番めに大きな地域は欧州・サブサハラアフリカの約17%、残りはアジア・中東・北アフリカの約10%でした。
地域別に見るとペプシコにとってはやはり北米が最重要な地域と言えそうです。四半期決算で比較しても、割合の数値こそ違えど順番は同じでした。
北米の売上高を製品別に分解
四半期決算(単位:百万ドル)
北米のみ製品カテゴリ別に決算が公開されていましたのでそれらをチャートにして比較します。こちらは四半期決算について前年同期比で比べています。
北米については、スナック菓子のフリトレー、シリアルやオートミールのクェーカー、ペプシ・コーラやゲータレードの飲料水の3カテゴリで決算報告されていましたが、四半期の前年同期比ではどれも売上高はマイナスになっていました。最重要な北米での事業が不調なのは気になりますね。
一方でその他地域では売上高は増加でした。
年間売上(単位:百万ドル)
こちらは北米製品別の年間売上比較になります。シリアルのクェーカーが微減、飲料水もやはり減少しています。
一方でスナック菓子のフリトレーは売上が増加していますね。大幅な増加ではありませんが、さっきの四半期決算では減少だっただけに面白い傾向に思います。
その他地域ではラテンアメリカ、欧州・サブサハラアフリカは増加でしたが、アジア・中東・北アフリカでは減少でした。売上の伸びている地域はぜひこの勢いを維持して欲しいですね。
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フリトレーの好調を支えるのは「オーガニック菓子」路線?
フリトレーは昨年、健康志向トレンドを意識したドリトスの新商品「シンプリー」を発売しました。このオーガニック菓子シリーズ「シンプリー」は昨年Amazonが買収したオーガニック志向のホールフーズで販売できる基準を満たしているそうで、フリトレーとしては従来のスナック菓子売り場を抜け出す挑戦的な商品でした。
フリトレーのスナック菓子の細かい売上高が無いので正確なところは分かりませんが、北米での売上増にこのオーガニック菓子が貢献したのかなと期待しますね。
主力の飲料水が世間の炭酸離れや砂糖離れの影響で売上低迷している中で、重要地域の北米で唯一売上の伸びたフリトレー、特にオーガニック菓子シリーズが、北米苦戦を打開するカギになりそうですね。
飲料水でも健康志向をアピール。今度の戦場は炭酸水!
飲料水についてもペプシコは下記の通り健康志向商品をリリース済みでした。通常のミネラルウォーターよりも栄養分の高く、かつオシャレなボトルのミネラルウォーターです。
そして2018年2月、ペプシコは満を持して新しい製品「Bubly」のリリースをアナウンスしました。
Bublyは人工的な香りや甘味料を使わない、ゼロカロリーの炭酸水シリーズで、8種類のフレーバーで展開される予定です。見た目も非常にカラフルで、健康志向な若者向けにアピールしているのでしょうね。
この炭酸水マーケットではLaCroix(ラクロワ)がマーケットリーダーです。日本でも通販などで購入できますね。
Home - LaCroix Sparkling Water
炭酸飲料の戦場はペプシ・コーラ vs コカ・コーラのコーラ戦争から健康志向の炭酸水に移っていました。コカ・コーラも4種類のフレーバー付きダイエット・コーラをリリースしていますが、ペプシコのように新ブランドの炭酸水をリリースしてくるかもしれませんね。