今までの企業研究カテゴリでは連続増配の企業を中心に調査・紹介していましたが、ブログが1周年を迎えたこともありもう少し視野を広げるためグロース株についても少しずつ見ていきたいと思います。まずは素敵なティッカーシンボルが光るServiceNowのご紹介です。
ServiceNowの概要
ServiceNow(サービス・ナウ)は企業の業務を支えるクラウドサービスを提供するベンダーです。設立は2003年ですので15年近くの歴史のある会社ですね。
ティッカーシンボルが「NOW」なのが良い感じです。
元はITサービスの管理(ITSM)のためのクラウドサービスを提供していたようですが、そこからアプリ開発やセキュリティ、人事など幅広く企業向けサービスを広げていき、今では下記のように非常に多岐にわたるクラウドサービスを提供しています。
これら企業を支える業務サービスを1つのプラットフォームで提供できる点がServiceNowの強みでしょうね。最新のリリースでは機械学習を活用した機能拡張が提供されています。
市場平均(S&P500)との株価比較
直近1年間での市場平均(S&P500)との株価成長率の比較です。赤がServiceNow、黒がS&P500です。
S&P500が+11%の成長なのに対し、ServiceNowは+78%と7倍ほどの成長率を見せていますね。
ここ最近は175ドルあたりに上値の抵抗線が見られますね。ここをブレイクするかどうかに注目ですかね。
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ServiceNowの最近の四半期決算
ServiceNowは先月に2018年第1四半期(1月〜3月期)決算を発表していましたのでそちらを見てみましょう。
ServiceNow(NOW)2018年第1四半期決算
- EPS:0.56ドル(予想を0.19ドル上回る)
- 売上高:5.89億ドル(予想を1,886万ドル上回る)
第1四半期決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りましたね。同社の好調さを表す決算内容だと思います。
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
ServiceNowの2018年Q1は、売上高が+37%の成長で5.89億ドルでした。
利益についても各々伸びており、粗利益率(Gross Margin)は+80%に成長しました。
売上高がしっかり伸びているのは好感ですね。
ServiceNowの成長を支えるサブスクリプション(単位:百万ドル)
ServiceNowはサブスクリプションでのクラウドサービス提供がメインビジネスです。現在、売上高の9割以上をサブスクリプションが占めています。
そのサブスクリプションの売上高は+40%と大きく成長して5.43億ドルでした。ServiceNowの成長をしっかり支えていますね。
サブスクリプションの成長率
サブスクリプションの売上高と成長率を見てみます。
売上高が右肩上がりなのは予想通りですが、成長率が40%前後をキープできている点が良いですね。
ServiceNowのターゲットは大企業。米国の大企業の65%が同社の顧客に
Forbesが毎年発表する世界の公開企業トップ2000「Forbes Global 2000(G2K)」のうち43%(850社)がServiceNowの顧客です。米国に関してはG2Kの65%が顧客となっていますね。
ServiceNowは幅広い業務を支えるクラウドサービスを持っていますから、そのターゲットとして組織が巨大な大企業を明確に選んでいますね。
一度掴んだ顧客はアップセルにより年間契約額が増加
G2K顧客の年間契約額(Annual Contract Value:ACV)の推移を見ると、四半期ごとにその額がしっかり伸びています。
特に契約更新が多いと思われるQ4は+10%と大きく伸びていますね。一度掴んだ顧客に対してアップセル(もしかしたらクロスセルも)が成功しているのでしょう。
大企業をターゲットとしていることの利点ですかね。
とある顧客の例
ServiceNowのアナリスト・デイのプレゼンから抜粋しました。恐らく2012年にITサービスを契約した顧客が、年々アップセルとクロスセルにより契約サービス数と規模を拡大していった事例の紹介だと思います。
顧客としても業務システムを一本化できるなら徐々にServiceNowに乗り換えていくことも検討しやすいのでしょうね。
成長の余地は十分なServiceNow
創業から15年のServiceNowですが成長の余地はまだ十分に残っていると思われます。
上の図のように、Forbes Global 2000のうち1,150社がまだ残っているわけですからね。
そう単純な話では無いでしょうが、現在の同社の成長率を見るにまだまだしばらくは成長路線に乗っていくのではと期待しています。