今年の4月に上場したばかりのPivotalが第2四半期決算を発表しました。
Pivotal Softwareとは
Pivotalはアプリケーション開発者を支えるプラットフォームを提供するソフトウェア会社です。主力は上のPivotal Cloud Foundryです。
アプリケーション開発をするためには、サーバを調達して必要なソフトをインストールしたり、そのサーバが故障しないか監視をしたり、作ったアプリケーションに怪しい挙動が見られたら修正したりと、単にプログラムする以上の作業がついて回ります。
プログラマーからすれば自分の本業ではない作業に時間を割きたくないわけです。そこで、サーバなどの機器の管理や監視、アプリケーションの簡単な実行など、面倒なことを引き受けるツールが必要となり、それらがPivotalの開発する製品になります。
そういう面倒を引き受けるサービスとしてはAmazonのクラウドサービスであるAWSもありますが、様々な事情から世の中の全ての企業がAWSを使える訳ではありません。そんなときもPivotalのCloud Foundryを自社のIT環境(いわゆるオンプレミス)に導入すれば、AWSのように快適にアプリケーション開発に集中できる環境ができあがります。
クラウドのように先進的な技術が次々に登場する世界で新技術をササッと自社に導入できるPivotalは、アプリケーション開発者はもちろん、先進技術によるアプリの高度化といった観点で経営層にも訴求する製品を持つ企業だと思いますね。
Pivotal(PVTL)の2019年第2四半期決算
- EPS:-0.06ドル(予想:-0.09ドル)
- 売上高:1.64億 ドル(予想:1.58億)
- ガイダンス:第3四半期 EPS -0.09〜-0.08ドル(予想:-0.09ドル)
- ガイダンス:第3四半期 売上高 1.63〜1.65億ドル(予想:1.63億ドル)
- ガイダンス:2019年度 EPS -0.36〜-0.34ドル(予想:-0.38ドル)
- ガイダンス:2019年度 売上高 6.47〜6.53億ドル(予想:6.47億ドル)
Pivotalの2019年第2四半期決算は、EPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回りました。
内容的には良さそうですが、、、
決算発表後の株価は-20%と大幅に下げてしまいました。。
今回の第2四半期決算は確かにコンセンサス予想を上回りましたが、続く第3四半期のガイダンスと年間のガイダンスを見るとどうやら第4四半期は決算が弱めになりそうとの判断で嫌気されたようです。
第3四半期のガイダンスはコンセンサス予想をギリギリ上回るレベルですし、年間ガイダンスの方も大きく伸びているわけではありませんね。成長鈍化の兆しに捉えられたのかもしれません。
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
売上高は+30%の成長で1.64億ドルでした。
粗利益は+50%の1.08億ドルで、粗利益率は65.8%に伸びました。
営業利益、純利益はまだマイナスですが、各々がマイナス幅を減らしています。
EPSは-0.25ドルから-0.06ドルに上がりました。
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売上高の内訳
Pivotalの売上高はサブスクリプションとサービスの2カテゴリです。
主力のサブスクリプションは前年同期比で+51%成長して9,750万ドルでした。
サービスは+9%とそれほど大きくは伸びていませんね。
サブスクリプション顧客数は+19%増えて354顧客となりました。第2四半期は15顧客を新規に獲得し、それにはペプシコやAutozoneが含まれます。
またドルベースでのNet Expantion Rateは150%で、既存顧客のアップセル等により顧客単価が伸びていますね。既存顧客にはバンガードなどがいるようです。
Pivotalの第2四半期の決算自体は一見良さそうでしたが、Q3決算ガイダンスの弱さとQ4決算への懸念から株価が大きく下落してしまいました。
例え決算の数字が良くとも株価が下がるということは何か良からぬことが起きている・起きそうな前兆でしょうね。
次の第3四半期決算および第4四半期ガイダンスでもう少し状況が見えてくるでしょう。ここまでずっと好調だったハイテクセクターの先行きを占うことにもなるかもしれませんね。