NIKEが四半期決算を発表しました。決算内容は良好でしたが相変わらず米国市場の低迷ぶりが気になります。ここからの打開は期待できるのでしょうか。
NIKE(NKE)の四半期(12月〜2月期)決算
Nike EPS of $0.68 - Nike Inc. (NYSE:NKE) | Seeking Alpha
- EPS:0.68ドル
- 売上高:89.8億ドル(予想を1.4億ドル上回る)
NIKEの売上高はコンセンサス予想を上回りました。一方、税制改革の影響で純損益は1,000億円の赤字に転じたようです。ただしこれは一時的な影響でしょう。
チャートで見るNIKEの決算内容
売上高(単位:百万ドル)
NIKEの2018年Q3(12〜2月期)の売上高は、前年同期比で+6.5%の89.8億ドルでした。全体としては売上は成長していますね。
地域別のNIKEブランド売上高(単位:百万ドル)
NIKEブランドの地域別売上高の比較です。
売上が最も大きい地域はやはり北米です。ただ、売上高は-6%の減少となりました。
成長率が最も大きい地域は中華圏ですね。特に中国の巨大さを考えるとまだまだ伸びしろはありそうです。
その他の地域も二桁の成長率を示しており、北米以外は順調にセールスを伸ばしているようです。
北米のNIKEブランド売上高の推移(単位:百万ドル)
メインマーケットである北米でのNIKEブランドの売上高推移です。
今のところどの四半期決算でも前年同期比でマイナス成長となっていますね。NIKEはここ最近は北米市場では苦戦していたようです。
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ライバルadidasの状況は?
北米市場の売上高推移(単位:百万ユーロ)
NIKEのライバルであるadidasの北米市場での売上高推移です。adidasは各四半期決算で20〜30%台の成長を見せています。
会計年度が違うため単純比較はできませんが、こうしてみるとadidasは北米市場で好調に売上を伸ばしている状況が伺えますね。
西欧および中華圏の売上高(Q4)(単位:百万ユーロ)
adidasのメインマーケットは本拠地ドイツのある西欧ですね。NIKEと違い、adidasは西欧でも売上高がしっかり成長していました。
またNIKEでも高成長していた中華圏についても、adidasは+24%の売上高成長となっていました。
ただ全ての地域で順調というわけではなく、ロシア地域と日本ではQ4は売上高がマイナス成長でした。
全体的にはadidasの方が好調に見え、NIKEからadidasに乗り換えたほうが良いという論調の記事も出てきました。
北米市場でのNIKE vs adidasの行く末は?
北米市場での両社の売上高(単位:億円)
参考までに、現在の米国市場でのNIKEとadidasの売上高比較です。ドルとユーロを現在の円換算で計算してます。
NIKEが約1.6兆円の売上高なのに対し、adidasは約5,500億円と、北米ではおよそ3分の1の規模ですね。adidasとしては2020年までに北米で50億ユーロ(約6550億円)の売上を目指しているようですが、NIKEとの差はまだまだ大きいですね。
対するNIKEは北米での売上回復の兆しが見え始めているようです。
マーク・パーカー(Mark Parker)社長兼会長兼最高経営責任者(CEO)は、北米地域は減収だったものの、リアクト(React)ソールを採用したモデルなど新製品の開発・発売や、顧客のショッピング体験向上、在庫削減などの取り組みが好調であることから「北米地域で大幅な逆転の兆しが見え始めた」と語る。加えて、米国内のEC売上高も2ケタ成長したという。
NIKEによれば、次のQ4決算(2018年3月〜5月期)は売上高は前年同期比と同程度で、その後の最初の半年(6月〜11月期)でプラス成長に転じる予定とのことです。
北米で急成長を続けるadidasと業績回復の兆しが見えてきたNIKEの北米市場を巡るバトルは2018年も激しくなりそうですね。
また急成長中の中華圏でも熱い戦いを見せてくれるのではと期待しています。