配当貴族であるシンタス(CINTAS)が2018年第3四半期の決算を発表しました。良好な決算内容で株価も上昇したようです。派手さはないですが堅実に成長を続ける同社を見てみました。
シンタス(CTAS)の概要
シンタスについては以前にブログで取り上げたことがありましたので、企業概要を再度引用します。
シンタス(Cintas Corporation)は作業着メーカー。企業独自のユニフォームに関するデザイン、製造、販売を手掛ける。玄関マット、洗面所の消耗品、販促製品などのほか、書類管理、防火、救急用品や安全対策サービスも提供する。
シンタスは企業向けの作業着や制服のレンタル・サービスがメインビジネスの会社です。その他にも概要にある通り企業活動を支える様々なサービスを提供しています。
例えばフードサービス向けのソリューションでは制服レンタルの他に救急箱やAED、トイレ備品、各種クリーニングなどのサービスを提供しています。
いわゆる資本財セクターに位置するシンタスは、このように企業が本業に集中するために裏方を一手に引き受けるサービスを展開しています。地味ながらも確実なニーズが見込める業種だと思いますね。
シンタスの四半期決算
Cintas beats by $0.10, beats on revenue - Cintas Corporation (NASDAQ:CTAS) | Seeking Alpha
- EPS:1.37ドル(予想を0.10ドル上回る)
- 売上高:15.9億ドル(予想を2,000万ドル上回る)
- ガイダンス:2018年Q4 売上高 16.25〜16.45億ドル(予想16.29億ドル)、EPS 1.64〜1.69ドル(予想1.46ドル)
シンタスの2018年第3四半期(12月〜2月期)決算は、EPS・売上高・ガイダンスともコンセンサス予想を上回る好調な内容でした。
シンタスは2016年に同業のG&Kサービシズを買収しており、その影響を除いた売上高成長率は7.8%でした。
第4四半期(3月〜5月期)のガイダンスも予想を上回っており、同社の好調さが伺えますね。
<スポンサーリンク>
チャートで見るシンタスの決算
売上高(単位:百万ドル)
四半期ごとの売上高比較です。ここ最近は前年同期比で26〜27%ほどの高成長を遂げていました。恐らくは先程も触れたG&Kサービシズの買収によるものと思われます。
2017年Q4は買収効果が反映されたためか売上高が大きく伸びており、2018年Q4はガイダンス通りの売上高ならば7%程度の成長見込みです。数値上は成長率が下がりますが決して成長鈍化ではないのがポイントですね。
売上高の内訳(単位:百万ドル)
売上高ではメインのレンタル&設備サービスが全体の8割を占めていますね。
救急キットなどの救急&セーフティサービスが9%弱、その他が10%ちょっとといったところです。
各サービスの売上高推移(単位:百万ドル)
各サービスの売上高推移です。2017年Q4からレンタル&設備サービスの売上高が大きく伸びていますね。恐らくはG&Kサービシズの買収効果でしょうか。
一方で他2つのサービスはあまり大きく変化していませんね。やはりメインのレンタル関連が同社のビジネスを支えているようです。
シンタスの株価と配当履歴
最後にシンタスの株価と配当履歴について見ておきます。まずは株価のチャートです。
株価は2009年頃から右肩上がりに成長中ですね。途中で多少上下はあるものの、特にここ最近は上昇幅が大きくなっているようです。
配当についてはシンタスは1983年から連続配当を34年間続けています。まさに配当貴族ですね。
配当利回り自体は1%程度とちょっと物足りないですが、株価の成長も考えるとインカムゲインとキャピタルゲインの両方に期待できそうです。
シンタスの成長がこのまま持続できるかは、米国の景気や労働人口次第でしょうね。シンタスの主な顧客であるサービス業が増えるほど制服レンタルなどのニーズも増えると期待できそうな反面、景気後退で店舗や労働者の数が減少するとその影響を大きく受けそうです。
また極端な話、アマゾンの無人コンビニAmazon Goような業態が増えてしまうと、そもそもの制服を着てくれる人がいなくなってしまいますね。その場合でも店舗に必要な備品やクリーニングのサービスをシンタスは提供可能ですが、売上悪化は免れないでしょう。まあそういった未来はまだまだ先だと思いますけどね。