ここ数週間は米国株の決算シーズンでした。その中で私も投資するMicrosoftの決算を振り返ってみます。
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MicrosoftのFY20 Q1決算
- EPS:$1.38(予想:$.124)
- 売上高:$33.1B(予想:$32.24B)
- ガイダンス:Q2 売上高 $35.15~35.95B(予想:$35.9B)
MicrosoftのFY20 Q1決算は、EPSと売上高がコンセンサス予想を上回るものの、ガイダンスのQ2売上高が予想に届かない数字でした。
主力のクラウド事業であるAzureは+59%の売上高成長でした。ただ前年同期は+76%でしたので、流石に成長の鈍化は避けられないようですね。
またコンセンサス予想は+60%だったため、わずかに市場予想に届かない成長率でした。
Azureの成長率は確かに下落中
Azureの成長率の推移を見てみると、FY18 Q2の+98%をピークに下落の一途です。
確かに成長鈍化を懸念したくなる気持ちも分かりますが、Microsoftの規模でこの成長率は相当に立派と思いますけどね。
参考までにライバルAmazonのAWSの成長率です。
AWSも2018年頃をピークに成長率は下落中です。これにはAzureとの顧客の取り合いもあると思いますが、両社が同じような成長率の推移なのは興味深いです。
これを見るとAzureもいずれは成長率が30%台にまで落ちてくるのかなと思いますね。
今後もMicrosoftの成長はクラウド次第か
Q2ガイダンスの売上高が予想を下回っていると最初に触れましたが、その内訳を見てみるとクラウド事業は唯一好調そうです。
セグメント別のQ2売上高ガイダンス
- Productivity and Business Processes:$11.3〜11.5B(予想:$11.36B)
- Intelligent Cloud:$11.25〜11.45B(予想:$11.23B)
- More Personal Computing:$12.6〜13.0B(予想:$13.39B)
セグメント別では、 Productivity and Business Processes部門とIntelligent Cloud部門が市場予想を上回るガイダンスで、More Personal Computingは予想を下回っていました。
Productivity and Business Processes部門の主力はOffice 365、LinkedIn、Dynamics 365で、これらはSaaSに分類されるクラウド事業です。
またIntelligent Cloud部門はAzureが主力です。
ガイダンスを見ると、やはりMicrosoftで好調さを維持できているのはこれらクラウド事業なのかなと思いますね。
先日には米国防総省のクラウドプロジェクトをMicrosoftが受注したニュースが駆け巡りましたし、彼らのクラウド自体はまだまだ順調ですね。
成長率の鈍化はある程度までは仕方ないものと思っています。何かあるとすれば、現在のクラウドの次の波にきちんと乗れるかどうかでしょうか。例えば5Gネットワークの広がりとともにエッジ・コンピューティングのサービスプロバイダの地位を確保できるかですね。
業界が破壊されるときは往々にして業界の外から来たプレイヤーに破壊されますよね。例えば小売業のAmazonがIT業界を破壊したように、今のIT業界を業界を破壊するプレイヤーは恐らくIT業界・クラウド業界の外にいるのかもしれないです。
Microsoftの将来性を考える際には、競合のAmazonの動向とともに他業界にも目を光らせておきたいですね。あるいはMicrosoftが破壊しそうな他業界はどこか、も同じですね。このへんもAmazonが他業界を破壊中なのと似てます。今後も要チェックです。