Salesforceが2019年第4四半期決算を発表しました。決算自体は良かったですがガイダンスが弱く、アフターで株価は下落となりました。
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Salesforceの2019年第4四半期決算
- EPS:0.70ドル(予想:0.55ドル)
- 売上高:36億ドル(予想:35.6億ドル)
- ガイダンス:FY2020 Q1 EPS 0.60〜0.61ドル(予想:0.63ドル)
- ガイダンス:FY2020 Q1 売上高 36.7〜36.8億ドル(予想:37億ドル)
- ガイダンス:FY2020通期 EPS 2.74〜2.76ドル(予想:2.75ドル)
- ガイダンス:FY2020通期 売上高 159.5〜160.5億ドル(予想:159.9億ドル)
Salesforceの2019年第4四半期決算は、EPSと売上高がコンセンサス予想を上回るものの、ガイダンスが全体的に弱かったです。
2020年度の第1四半期はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を下回っていました。
2020年度通期ではEPS・売上高の両方ともほぼコンセンサス予想通りですね。
今回の決算を受けて、Salesforceの株価はアフターで-3%近く下げてしまいました。
Salesforceの不調の背景にはMicrosoft等ライバルの躍進?
今四半期と年度ではっきりとした成長性を示すことができなかったSalesforceですが、こちらの記事によると大手ITベンダのCRMソフトウェアとの競争が一つの要因に考えられそうです。
特にMicrosoftのCRMであるDynamics 365は最新の四半期決算で+51%と大きく売上高を伸ばしており、Salesforceにとっても無視できない競合相手になってきたと言えるでしょう。
その他、CRM分野ではオラクルやドイツのSAPも強力なライバルです。SAPは昨年11月にアンケート管理のQualtricsを80億ドルで買収し、CRM周辺を強化していました。
CRMではリーダーポジションのSalesforceですが、ライバル企業もじわじわとその差を詰めてきているようですね。
ただSalesforce自身もさまざまな戦略をめぐらしており、昨年にはデータ統合プラットフォームのMulesoftを65億ドルで買収しました。この買収により企業の持つレガシーシステムとクラウドとのデータ統合が期待され、まさにMicrosoftが狙うクラウド領域を強化する狙いがあったと思われます。
また先程の記事内でSalesforceのガイダンスは保守的すぎると見るアナリスト意見も紹介されており、蓋を開ければあっさりと予想を超える好決算を出してくることもありそうです。
サブスクリプションのリーダーSalesforceの決算見通しは他のSaaS企業にも影響を与えそうですね。昨日はOktaなどのSaaSが軒並み株価を下げてました。
Oktaの四半期決算も今週7日の予定ですので、その結果も合わせて業界動向を見てみたいと思います。
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