アルファベット(Google)が四半期決算を発表しました。内容は良かったですが設備投資の増加が懸念されて株価は下げてましたね。
アルファベット(GOOG)の2018年第4四半期決算
- EPS:12.77ドル(予想:10.87ドル)
- 売上高:392.8億ドル(予想:389.3億ドル)
アルファベットの2018年第4四半期決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。ちなみにガイダンスの発表はなかったみたいですね。
アルファベットのメインビジネスである広告事業は326.4億ドルで、前年同期比で+20%の成長でした。
またクラウドサービスやスマートスピーカーを含めたその他事業は64.9億ドルで、こちらは+31%の伸びでした。
どちらもしっかりと成長してますね。
一方、営業利益が82億ドルで営業利益率が21%となり、これは前年同期の24%から少し下がりました。設備投資や研究開発費、営業・マーケティング費などが増えたことで利益を圧迫したようです。株価もちょっと下げましたね。
広告事業とその他事業の売上高推移
アルファベットの主要事業である広告事業とその他事業の売上高推移です。
広告事業はGoogleサービス(検索結果やYouTubeなど)に表示される広告事業であるGoogle propertiesと、Google以外のサービスやスマホアプリなどの広告事業であるGoogle Network Members' propertiesに大別されます。
売上高で見ると大部分はGoogleサービス上の広告事業で成り立ってますね。Google Network Membersの方はまだボリュームはそれほど大きくないようです。
Googleのクラウドサービスやスマートスピーカーといった事業をまとめたその他事業(Google other)もボリューム的にはGoogle Network Membersの広告事業と同じくらいですね。
事業別の売上高成長率
先程の3事業部門の売上高成長率の推移です。
成長率ではその他事業が最も高いですね。2018年Q4は+31%の伸びでした。クラウドやスマートスピーカーが好調なのでしょう。
広告事業ではGoogle propertiesが安定感を見せてますね。2016年度からは常に20%以上の成長率を維持しており、アルファベットのメイン事業はやはりGoogleサービス上の広告と言えそうです。
今後もこの成長率を維持できるかが売上高に大きく影響するでしょうね。
トラフィック獲得コストの推移
アルファベットの広告事業を支える上で必要なコストがトラフィック獲得コスト(TAC) ですね。これはiPhoneの検索エンジンをGoogleにしたり、他社媒体へ広告配信したりすることで発生するコストとなります。
このTACが増加するとアルファベットの広告事業の利益率が減少するわけですから、TACの増減は非常に重要ですね。
2018年Q4のトータルのTACは74.4億ドルでした。チャートを見るとTACの増加は止まらないですね。
広告売上高に占めるTACの割合
広告事業の売上高に対するTACの割合を見てみましょう。
2018年Q4は広告売上高に対しては23%と前期と同じ水準でした。ボリュームは大きいですが割合的には増加しているわけではないですね。
2016年Q3以降はTACの割合の増加が懸念されていましたが、今は23%で安定しているようです。この割合の増減も広告事業の成長率と同様に要注目です。
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設備投資額の推移
冒頭で触れた支出急増に関連して、アルファベットの設備投資額の推移を見てみましょう。
2018年Q4はおよそ71億ドルの設備投資額でした。おそらく主にデータセンターの増強なのでしょうね。
金額的には2018年Q4と2018年Q1が特に大きかったですね。
売上高と並べてみると、売上高の伸びに比べれば設備投資額は急増しているわけでは無さそうです。
売上高に対する割合を見ると、2018年Q4は売上高の18%相当が設備投資額に振られました。
2015年〜2016年は10%前半でしたので、過去と比べると設備投資を一層進めていると言えそうですね。
GoogleのクラウドサービスはAmazonやMicrosoftと比べるとシェアがかなり小さいですが、71億ドルの設備投資はMicrosoftの2倍相当とのことで、Googleとしてもまだ巻き返しは諦めていないのでしょう。
アルファベットのビジネスはGoogleサービスの広告事業が支えている状況はしばらく変わらないでしょうね。成長率の観点でもとても安定しているように思います。
クラウドサービスやスマートスピーカー、Nestや自動運転などの事業は成長率が高いものの売上高の点ではまだまだ物足りない印象です。
設備投資等のコスト増が懸念されてますが、グロース企業としては必要な投資と思いますので、今後の事業成長でそのことを証明していけるかに注目したいですね。