Googleがストリーミングゲームサービス「STADIA」を発表し、ゲーム業界への参入を意思表明してきました。
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Googleが発表したSTADIAとは?
Googleがゲーム開発者向けイベントGDCで新たなゲームストリーミングサービス「STADIA」を発表しました。
STADIAの特徴は、ゲーム本体がGoogleの高性能なデータセンター内に配置されることで、プレイヤーはそのゲームプレイ動画をブラウザ上でストリーミングしながらプレイできる点です。
今まではPS4やXBOX、Swichなどのゲーム機ありきでしたが、STADIAではChromeブラウザがあればPC、タブレット、スマホなどマルチデバイスでゲームをストリーミングでプレイ可能になります。
さらにゲーム本体がGoogleのクラウドに置かれることで、必要に応じてゲーム用のリソースを自動で増強したりといったことも容易になります。
また発表によればSTADIAはYouTubeとの連携も目玉のようで、ゲーム実況者がプレイしているゲームを自分もプレイしたり、実況者のプレイシーンをシェアしたりといったことが簡単にできるみたいですね。
現在、ゲーム業界はソニー、任天堂、マイクロソフトがプラットフォームを握っている状況ですが、今回のGoogleの発表は彼らにも大きなプレッシャーとなるでしょうね。特にマイクロソフトはクラウドサービスの領域でも競合ですから、クラウド技術を活用したゲームサービスをGoogleに先を越されてはいけませんね。
Googleの持つ技術は多数ありますが、中でもネットワーク技術は世界トップの技術力と言えるでしょう。世界中に分散して配置されたデータセンターを連携させて、いつでもパッとGoogle検索結果を表示できるのもネットワーク技術ありきです。そんなGoogleの開発するストリーミングサービスですから、ネットワーク遅延などは心配いらないでしょう。
STADIAのプラットフォーム向けにGoogleとAMDが提携
GoogleはAMDと提携し、Stadia用のハイエンドGPUをデザインした。Googleによれば、これは10.7テラフロップスの性能を発揮し、Xbox One XやPS4 Proを上回るという。
今回のSTADIAの開発のため、GoogleはAMDと提携してハイエンドGPUをデザインしたとのことです。
このGPU一つでXBOX、PS4など既存コンシューマ機を上回る性能で、Googleの本気度が伺えますね。
今回のSTADIAの発表と、その中でのAMDとの提携のニュースを受けて、AMDの株価は+12%近く上昇しました。
昨今のゲーム用GPUの売上不振がNVIDIA等の決算から見えていましたが、GoogleのSTADIAが上手くローンチできれば他のゲームプラットフォームも追従してくることは考えられるでしょうね。そうなればプラットフォーマー向け需要が今後期待できそうです。
ライバルのNVIDIAも既にストリーミングゲームサービスを提供中
AMDライバルのNVIDIAは既にSTADIAのようなストリーミングゲームサービス「GeForce NOW」を提供中です。
3月のイベントで、そのGeForce NOWをソフトバンクが2019年末に日本展開する予定と発表がありました。
GeForce NOWも仕組みはGoogleのSTADIAに近く、やはりゲーム本体がデータセンターに配備されており、どうしてもネットワーク遅延が課題となります。そこでソフトバンクのような通信キャリアと提携し、キャリアのデータセンターにGeForce NOW用サーバを置いてもらうことで、プライヤーに近い場所からゲーム動画をストリーミングする作戦です。
キャリアにとっても5Gを使うユースケースとして期待しているのではと思いますね。
今後、STADIAやGeForce NOWのようなストリーミングゲームのスタイルが普及するに連れ、ゲーム業界の構造も変わってきそうですね。今までPS4独占といった形でゲーム開発会社がコンテンツ提供するケースがありましたが、これからはSTADIA独占といったゲーム配信も起こりそうです。
また気になるのはGoogleやNVIDIA自身がゲーム開発に参入するかどうかですね。しばらくはそんなことはないと思いますが、NetflixやAmazonがただの動画配信サービスから動画制作会社へ変貌してきた歴史を見ると、全く可能性のない話ではないかもしれませんね。
・・・と思っていたら、早速発表がありましたね。
Googleが社内ゲームスタジオ設立、AMDカスタムGPUとDebian Linuxのゲームプラットフォーム「Stadia」を推進 | TechCrunch Japan
GoogleはStadia向けゲームの自社開発だけでなく、この開発用プラットホームを世界中のゲームスタジオにも提供していく計画で、大規模なゲーム業界のエコシステムの構築を目指しているのでしょうね。今後の展開が楽しみです。
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