画像に特化したSNSのPinterestがIPO書類をSECに提出しました。NY証券上場予定で、ティッカーはPINSになるようです。
<スポンサーリンク>
画像に特化したSNSであるPinterestがIPO書類を提出
PinterestがIPOに向けて書類をSECに提出しました。NY証券上場予定で、ティッカーシンボルは「PINS」になるようです。
そもそもPinterestがどういうサービスかというと、Wikipediaでは下記のように説明されています。
Pinterest(ピンタレスト)は、ピンボード風の写真共有(英語版)ウェブサイトでユーザーはイベントや興味のあること、趣味などテーマ別の画像コレクションを作成し管理することができる。また、他のピンボードを閲覧して自身のコレクションか「好み」の写真として画像を「リピン」することもできる。
興味のあるキーワードで検索することで、本記事のトップ画像のようにレシピ関連の画像とレシピを収集したり、次の旅行のプランを立てる際に候補地を探してまとめたりと、生活の中で発生するいろいろなイベントやアクションに対するインスピレーションを管理するサービス、といった感じでしょうか。
企業がPinterestに直接商品の画像を提供したり広告出稿したりすることで、Pinterestユーザにダイレクトに訴求できるという強みがあります。例えば下記のようにTargetがキッチン用品の製品ピンを関連する検索結果のピン一覧に表示させることができます。
広告ビジネスという点ではGoogleやFacebookもライバルになりそうですね。
また画像に特化しているという点ではInstagramとの比較も目にしますね。Pinterestはよりパーソナルな機能にフォーカスを当てている印象です。個々人が好きな画像収集やアイデア発掘をしていきますが、必ずしもそれをシェアする必要はないですしね。
Pinterestのビジネス概況
SECに提出された書類から気になる部分をピックアップしてみましょう。
2018年度の売上高は7.56億ドル
過去3年間の売上高推移です。
2018年の売上高はおよそ7.56億ドルでした。2017年と比較して、+60%も伸びています。
2017年は4.73億ドルで、こちらは+58%の成長でした。まだまだ成長性は高そうです。
一方、2018年の営業利益は-7.472万ドル、純利益は-6.297万ドルと、黒字化はまだ達成できていません。
月間アクティブユーザ数は2.66億ユーザ
四半期ごとの月間アクティブユーザ数の推移です。
2018年Q4では、米国が8,200万ユーザ、海外が1億8,400万ユーザとなり、合計で2億6,600万ユーザでした。
米国のアクティブユーザ数の推移を見ると、過去3年で6,500万ユーザから8,200万ユーザに増加しています。
海外では6,300万ユーザから1億8,400万ユーザに大きく伸びていますね。最近では海外展開に力を入れていたのではと思います。
米国のユーザ数の伸びがフラットに近づいていますし、ますます海外展開が今後の成長性に重要になりそうですね。
海外展開の収益化はまだまだこれから
米国と海外の四半期ごとの売上高推移です。売上高自体は確実に成長してきてます。
現在のところPinterestの売上高はほぼ米国での売上高で占められていることが分かりますね。
2018年Q4は米国で2億5,700万ドル、海外で1,700万ドルの売上高でした。
今後、海外での収益化をいつ達成できるかがポイントになりそうですね。
ユーザ平均単価(ARPU)の推移です。こちらも米国のARPUが中心です。
米国、海外ともARPUは伸びてきているのは良い兆候ですね。
PinterestはAmazon Web Servicesを利用してサービス運用中
SEC提出書類を見ると、Pinterestはサービス運用の大部分をAmazon Web Services(AWS)に頼っていることが分かります。
Pinterestのウェブサイトの運営や、膨大な画像データの保存、それらデータの転送など、そのほとんどをAWSのサービスを利用して運用中です。
興味深いのは同書類の中で競合の一つにAmazonの名前も挙げていることですね。確かにPinterestはECサイトのような側面も持ちうるのでAmazonとはライバルになり得ますね。競合ではありながらAmazonのサービスも利用している関係性はNetflixを思い出させます。
PinterestはAWSとの契約により、2023年7月まで最低7億5,000万ドルを支払う必要があります。2018年12月31日時点で、支払い残高は4億4,110万ドルとのことです。
以前に紹介したLyftもAWSのヘビーユーザでしたね。
Pinterestのビジネスモデルが広告やECを中心とすると、Amazon、Google、Facebookなどの巨人との戦いが待っています。
またSNS的な側面ではInstagram、Twitter、Snapなどが競合として挙げられますね。Pinterestと似たサービスとしてAllrecipes、Houzz、Tastemadeの名前も挙げられていました。
非常に競合の強いビジネス領域だと思いますが、Pinterestの成長余地はまだありそうに見えますので、上場した後の決算でキッチリと数字を出してくるかどうかに注目したいと思います。
プラットフォーム・レボリューション PLATFORM REVOLUTION 未知の巨大なライバルとの競争に勝つために
- 作者: ジェフリー・G・パーカー,マーシャル・W・ヴァン・アルスタイン,サンジート・ポール・チョーダリー,妹尾堅一郎,渡部典子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/08/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る