ここ最近はAmazonが狙うかもしれない業界とその猛攻に耐えきれる業界や企業について調べていますが、シューズ専門店のFoot Locker(フット・ロッカー)は後者の生き残り組になるかもしれません。
Foot Lockerのビジネス・スタイル
モルガン・スタンレーのアナリストによれば、Foot LockerのビジネスはAmazonを負かし得るとのことで、同社の株の評価を一段階上げています。
Foot Lockerは品揃え豊富なシューズの店舗販売が特徴で、Foot Locker別注のシューズも多く取り扱っています。特にシューズ単価の高いハイエンドなシューズの販売に強みがあるようです。
Amazonが現在保持するターゲット層としては、あまりハイエンドなシューズは合わないようで、Foot Lockerの売れ筋トップ200のうち5%未満のシューズのみをAmazonが販売しているとのことです。100ドルを超えるハイエンドなシューズについてはNikeやAdidasもオンラインよりもショップで販売されることを期待しているみたいですね。
Amazonがより多品種な、より大きなマーケットを目指すのに対して、Foot Lockerはハイエンドな、この店でなければ見つからないシューズを取り揃える方へ舵を取ることで、Amazonとは異なるマーケットをターゲットにするだろうと記事では触れています。
下記のBRIANモデルではB(Bespoke products(オーダーメイド製品))のカテゴリに当たるでしょうか。Amazonとしては手を出しにくい(と思われている)商品カテゴリのようですね。
Amazonの影響はどのくらい?
先程の記事でスポーツシューズ市場のシェア予測に触れていました。Amazonは2017年から2022年の5年でシェアをほぼ倍の16%に伸ばすだろうと予測しています。
一方のFoot Lockerはシェアを減らすと予測されていますが、わずか2%程度のシェア低下にとどまるとのことで、Amazon含む競合からの影響は非常に小さいものとなりそうです。Amazonの成長を横目にFoot Lockerがハイエンド・シューズ市場のシェアをキープできれば、Amazonとは上手く住み分ける結果になるかもしれませんね。
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Foot Lockerの経営状況
FL : Summary for Foot Locker, Inc. - Yahoo Finance
Foot Lockerの現状をYahoo Financeで見てみました。株価はここ最近で大きく下げているようですね。
営業CFは年々増加しており好調です。営業CFマージンは10%あたりでほぼ横ばいですね。今のところ大きな問題は無さそうに見えます。
(単位:百万ドル)
Amazonが苦手としそうなハイエンド商品を扱うFoot Lockerですが、BRIANモデルの検証も含めて今後の成長に期待です。Amazonとしても店舗ビジネスに力を入れるなかでハイエンド商品を扱うショップ展開といった流れがあるかもしれませんね。