前にビール好きの立場からアンハイザー・ブッシュ・インベブについて記事にしました。しかしお酒に関する銘柄を網羅するなら、やはりディアジオ(DEO)は外せません。
ディアジオ(DEO)はギネスやジョニー・ウォーカーで有名な英国の酒造メーカー
概要
英国のディアジオは日本でも名の知れたブランドを多く取り揃える酒造メーカーです。黒ビールのギネスやウィスキーのジョニー・ウォーカー、ウォッカのスミノフなど、身近なスーパーでもよく目にするお酒を製造しています。
地域別売上
売上高の地域別シェアを見ると、主力は北米ですが他の地域もバランス良く売上を上げているように見えます。世界的にも非常に強いブランドを持っていることが分かります。
カテゴリ別売上
カテゴリ別に売上を見ると、スコッチが全体の4分の1を占めています。次いでビールが16%、ウォッカが12%と、ここまでで全体の約5割ですね。
今後のお酒市場の成長は?
IWSR(The International Wine & Spirit Record)の調査レポートによると、2017〜2021年のお酒市場予測ではウィスキー、テキーラ、ジンが成長を牽引するとのことです。ウィスキーはインドでの成長が大きく、テキーラはアメリカとメキシコでの需要が強く、ジンはやはり英国でまだまだ人気のようです。いずれのお酒もディアジオのポートフォリオに含まれており、将来的にそういった国々の需要を上手く取り込んでいけるかが肝になりそうです。
最近ではジョージ・クルーニーの保有するテキーラ・ブランドを買収していました。テキーラ需要への対策の一つでしょうか。
ちなみに最も大きく成長すると予測されるのは中国の白酒(パイチュウ、バイジュウ)とのこと。私は飲んだことありませんが、中国で飲んだ人の話を聞くとかなり度数の高いお酒のようですね。ディアジオも「水井坊」という白酒のブランドを保有しています。
ディアジオの経営状況
(単位:百万ドル)
ここ3年間の経営状況をみると、安定的に営業キャッシュフローを稼いでいるようです。営業CFマージンも20%超えで、非常に良好な経営状況に思います。グローバルに強いブランドを持つことで安定して稼げるビジネスを作っているのでしょうね。
5年間の株価チャート
DEO : Summary for Diageo plc - Yahoo Finance
ここ5年の株価は、上がって、下がって、今また上がっている最中ですね。それでもリーマンショックの2009年頃からみると全体的には上昇トレンドにも見えます。やはりお酒は景気の影響を大きく受けやすいのでしょうね。
配当状況
DEO: Dividend Date & History for Diageo plc
ディアジオの配当金の支払履歴です。ディアジオは4月と10月の年2回の配当金で、今のところは5年連続の増配のようです。現在の配当利回りは3.06%でした。割りと高めの利回りに思いました。
ディアジオに投資をするか?
世界的にも非常に強いブランドを複数持ち、今後もお酒市場の成長が期待されることから、投資先として有望に思いました。一方で景気が悪くなるとお酒の買い控え等により売上や株価にも影響が出やすいのかなとも思います。そういった変化が起こることをわかった上で、長期に保有する銘柄としてはアンハイザー・ブッシュ・インベブと同様に検討してみたいと思います。
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