昨日からオープンした米国株市場ですが、気になるニュースが早速飛び込んできましたね。。
アップルが2019年Q1の売上高予想を下方修正
アップルが2019年Q1(10月〜12月期)の売上高予想を下方修正しました。主に中国での売上高減速を見込んでの修正となります。
- 修正前:890億~930億ドル
- 修正後:840億ドル
- アナリスト予想:915億ドル
以前に発表していた売上高予想を大きく下回る下方修正となりました。またアナリスト予想との差も大きくなりましたね。
もともとアップルはインドやブラジルといった新興国の成長減速は想定済みでしたが、中国の成長減速を見込んではいませんでした。今回、アップルが想像していなかったペースで中国の景気減速が起きたことで、売上高の下方修正を余儀なくされました。
売上高の減速要因は中国景気だけではない
アップルの中国での売上高鈍化は景気減速だけが要因ではないように思います。そもそも以前から中国でのiPhone人気には陰りが見え始めていました。
IDCがまとめた調査によると、中国でのアップルのシェアは第5位に位置づけており、依然として中国企業が上位を占めている状況です。
またアップルのシェア自体も2018年Q1の11.2%からQ3は7.5%まで減少しています。一概には言えませんが、奪われたシェアはおそらく上位の中国企業に移っているのではと思います。
中国の景気減速を理由にするまでもなく、アップルは中国市場でかなり苦戦していることが見て取れます。
アップルは時間外取引で-7.5%の大幅な下落に
上記ニュースを受けて、アップル株は時間外取引で-7.5%の大幅な下落となっています。
恐らく今夜の株式市場のオープンとともにさらに下がるのではと思います。
アップルは1,300億ドルものキャッシュを保有していることから株価が下落したタイミングで自社株買いを実施するのではとのアナリスト予想もありますが、しばらくは株価低迷が避けられないでしょうね。
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テスラ、モデル3の納車台数が市場予想に届かず & 全モデル値下げを発表
テスラが第4四半期(10月〜12月期)の納車台数を発表しました。前年同期と比べて3倍以上に納車台数を伸ばしましたが、市場予想には届かず、株価急落を招きました。
<Q4納車台数>
- 全モデル納車台数:90,700台(予想:92,000台)
- モデル3:63,150台(予想:64,900台)
- モデルS:13,500台
- モデルX:14,050台
<Q4生産台数>
- モデル3:61,394台
- モデルS&X:25,161台
Q4の納車台数の合計、およびモデル3の納車台数のそれぞれで市場予想の台数を下回る発表でした。
またモデル3の週あたり生産台数は4,723台となり、目標としていた週5,000台生産を下回りました。
テスラはさらに2018年の通算納車台数も発表しています。
<2018年納車台数>
- モデル3:145,846台
- モデルS&X:99,394台
2018年は通算で245,240台を納車しました。そのうちモデルSとモデルXの合計が99,394台でしたが、こちらも目標の10万台に届きませんでした。
また、今年から電気自動車の税控除額が7,500ドルから3,750ドルへ減額されることを受け、テスラは全モデルの価格を2,000ドル値下げすると発表しました。売上高への影響が気になるところです。
上記の発表を受けて、テスラの株価は-6.8%の下落となりました。またその後の時間外取引でもまだ下げているようです。
ネットフリックスの新規購読者数に減速の懸念
SunTrust Robinson Humphreyのアナリストがネットフリックスの目標株価を410ドルから355ドルに引き下げました。理由はネットフリックスのQ4(10月〜12月期)の新規購読者数が予想していた数字を下回る恐れがあるとのことでした。
SunTrustは独自にネットフリックスの新規購読者数をトラッキングしているようで、11月までの推移を確認したところ、コンセンサス予想をわずかに下回るペースで購読者数が増加しているようです。
SunTrustの予想と現在のコンセンサス予想は下記のとおりです。
<米国の新規購読者見込み>
- SunTrust予想:143〜175万人
- コンセンサス予想:175〜180万人
<海外の新規購読者見込み>
- SunTrust予想:500〜690万人
- コンセンサス予想:730〜760万人
米国内よりも海外での新規購読者見込みに大きなギャップがありますね。
ただこのSunTrustの予想は11月までの数字に基づいており、さらに12月にリリースされたネットフリックスの新作の影響を加味していない点は要注意です。『バード・ボックス』など魅力的なコンテンツのリリースにより、12月に新規購読者数が伸びている可能性はあります。
市場もまだ判断するには時期尚早と考えたのか、取引開始時にはネットフリックス株は下げるものの、徐々に株価は元の値に回復していきました。ただ時間外取引では下げてますね。これがニュースの影響かアップルの影響かはまだ分かりません。
年明け早々、米国株市場に大きな影響を与えそうなニュースが続いてきました。特にアップルの下方修正のニュースは、アップルだけでなくサプライヤーも巻き込んでしばらく尾を引きそうですね。
これも景気後退の前触れと見ることもできるでしょうから、2019年は景気動向に慎重になりつつ投資していくのが無難そうです。