半導体とディスプレイの製造装置メーカーであるアプライド・マテリアルズが四半期決算を発表しました。業績は良好でしたが今期ガイダンスが予想を下回り、同社株価の急落を招きました。
アプライド・マテリアルズのFY2018年第2四半期決算
- EPS:1.22ドル(予想:1.14ドル)
- 売上高:45.7億ドル(予想:44.5億ドル)
- ガイダンス:Q3 売上高 43.3〜45.3億ドル(予想:45.4億ドル)、EPS 1.13〜1.21ドル(予想:1.16ドル)
アプライド・マテリアルズのFY2018年第2四半期の決算は、EPS・売上高がコンセンサス予想を上回るものの、今期(Q3)ガイダンスで売上高の見通しが予想を下回りました。
決算発表の場ではスマートフォンの販売数鈍化が影響したと述べていました。
Smartphone sales have been below expectations, particularly for high-end models, and in response, both semiconductor and display suppliers have made adjustments to their capacity planning.
(スマートフォンの販売台数については、特にハイエンド・モデルで予想を下回った。その反応として、半導体メーカーとディスプレイメーカーの両方がキャパシティ・プランニングを調整した。)
ちょっと弱気なガイダンスを受けて、同社の株価は-8%ほど下落していました。
チャートで見るアプライド・マテリアルズ(AMAT)の四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
アプライド・マテリアルズのFY18Q2決算は、売上高は+29%の伸びで45.7億ドルでした。
利益も大きく成長し、粗利益が+30%、営業利益が+40%、純利益が+48%の伸びでした。純利益の伸びが特に大きかったですね。
部門別では半導体製造装置が大きく成長
部門別に見てみると、半導体製造装置を含む半導体システム部門が+25%の成長でした。おそらくそれに付随してサービス部門も伸びたのでしょうか。
一方でディスプレイ製造関連はちょっと売上高を下げましたね。およそ-17%の減少でした。
地域別では東南アジア、欧州、中国、日本が大きく成長
地域別の売上高比較です。
最も大きく売上高が伸びたのは東南アジア地域でした。
次いで欧州、中国、日本と続きました。韓国もまだまだ伸びていますね。
一方で米国はほぼ横ばいで、台湾は-16%と売上高が減少しました。
売上高トータルでは成長していますが、地域別では結構違いがあるんですね。
半導体製造装置の需要はチップメーカーのバロメータ
アプライド・マテリアルズのような半導体製造装置メーカーの業績は、それを必要とするチップメーカーたちの将来業績を測るバロメータとなります。
アプライド・マテリアルズのQ3売上高の見通しが予想に届かなかったことで、関連するチップメーカーの需要も減少傾向にあるのではと見られたのでしょうか、多くの関連銘柄が株価を下げてました。
- インテル(INTC):-2.39%
- マイクロン・テクノロジ(MU):-2.39%
- ラムリサーチ(LRCX):-3.86%
- スカイワークス・ソリューションズ(SWKS):-1.22%
- KLAテンコール(KLAC):-3.40%
- tsmc(TSM):-1.39%
- Qorvo(QRVO):-1.27%
- FormFactor(FORM):-2.26%
スマートフォンの出荷台数が頭打ちになったといったニュースを目にするようになりましたし、半導体需要への先行き不安が徐々に顕在化していますね。
ただ半導体需要はスマホ以外にもAI関連やIoT関連で今後も伸びそうですので、過度に心配する必要はないかなと思いますね。
アプライド・マテリアルズのような需要のバロメータになり得る企業は今後もウォッチしていきます。