アップルが第2四半期(1〜3月期)決算を発表しました。心配していたiPhoneの販売台数も好調でしたね。またサービス事業の高成長ぶりが印象的でした。
アップルの2018年第2四半期(1〜3月期)決算
- EPS:2.73ドル(予想:2.68ドル)
- 売上高:611億ドル(予想:608億ドル)
- ガイダンス:第3四半期(4〜6月期)売上高 515〜535億ドル(予想:516億ドル)
アップルの2018年Q2決算は、EPS・売上高・ガイダンスのすべてでコンセンサス予想を上回る好決算でした。
iPhone販売台数は5,220万台で市場予想とほぼ同じでした。
アップルは1,000億ドルの自社株買い戻しプログラムを発表しました。さらに配当も0.63ドルから0.73ドルに増配しました。
全体的に好調な決算内容でしたね。一方でiPhone頼みのビジネスがいつまで持続するかも気になります。
チャートで見るアップルの四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
アップルの2018年Q2は、売上高が前年同期比で+16%の611億ドルでした。しっかりと売上高が成長しているのは好感できますね。
営業利益は+13%で158億ドルでしたが営業利益率は微減で26.0%でした。
当期純利益は+25%で138億ドルでした。
製品別の売上高(単位:百万ドル)
製品別の売上高比較です。
当然iPhoneの売上高が最も大きく380億ドルでした。前年同期比で+14%の成長でした。
iPadとMacはほぼ前年同期と同じでしたね。特にMacはかなり成熟してきたのか成長率はゼロでした。新規Macユーザの獲得も今後の課題でしょうね。
注目なのはサービスとその他の製品で、どちらも30%以上の高成長でした。
サービスはApple MusicやApp Store、AppleCare、Apple Payなどのサービス事業を含みます。特にApple Musicは有料会員数の成長率が高いようで、米国ではSpotifyの有料会員数を今年中に追い抜くのではとも言われていました。
その他の製品には新製品のHome PodやApple Watch、AirPods、Beats製品などを含みます。今回の高成長を見るとHomePodも意外と好評なのかもと思えてきました。
2018年Q2の売上高内訳(単位:百万ドル)
売上高全体ではiPhoneが突出して62.2%を占めています。
一方、サービスはまだまだ数字は小さいものの高成長により前期の9.6%から15.0%にまで拡大しました。
このままサービス事業が成長を続けてくれれば、例えばApple Musicを楽しむためにHomePodやBeats製品を購入するといった良いサイクルが描けそうです。
地域別の売上高(単位:百万ドル)
地域別に見ると、中華圏と日本の急成長が際立っていますね。
特に中華圏はそろそろ欧州の売上高に追いつき追い越すのではと思われるほどの成長ぶりです。
中国のスマホ勢が急成長している中でiPhoneも売上成長しているのはちょっと意外でした。
一方でアジア太平洋地域はほとんど成長しておらず、こういった地域ではやはりOppo、Vivo、Xiaomiといった中国のスマホが支持を集めているのでしょうね。
平均販売単価の鈍化はiPhone X不調が原因?
iPhoneビジネスで重要な指標は平均販売単価ですね。今回は特にiPhone Xがどれだけ平均販売単価を引き上げられるかが注目でした。
平均販売単価の推移(売上高単位:百万ドル)
2018年Q2のiPhone平均販売単価は728ドルで、前年同期比では+11%単価を引き上げましたがアナリスト予想の740ドルを下回りました。
前期が796ドルと大きく単価を伸ばしていましたが今回は単価を下げる結果となり、思っていたほどにはiPhone Xが売れなかったのではと見られています。
年内にはiPhone Xの生産を停止して新型iPhoneに完全移行するといった噂もあるようで、700ドル台になった平均販売単価がもしかしたら元の水準に戻るかもしれませんね。
アップルとしてはまだiPhoneが売れる製品である間になんとか次の製品やサービスを仕込んでおきたいところでしょう。
個人的にはかつてiPod+iTunesで音楽業界と消費者のライフスタイルを一変したように、再び私たちのライフスタイルをワクワクするものに変えて欲しいですね。
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