今週はIPO後初の決算を迎えるZoomとBeyond Meatなど、注目の決算発表がありました。
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天国と地獄な四半期決算発表
IPO後初の四半期決算となるZoomとBeyond Meat、近年好調なクラウドサービス(SaaS)企業であるDocuSignやDomoなど、今週は注目の決算発表がありました。
しかしながらその内容はさながら天国と地獄のように明暗を分けるものとなりました。
Zoom Video Communications(ZM)は好調な決算内容!
- EPS:0.03ドル(予想:0.01ドル)
- 売上高:1.22億ドル(予想:1.12億ドル)
- ガイダンス:Q2 EPS 0.01〜0.02ドル(予想:0.01ドル)
- ガイダンス:Q2 売上高 1.29〜1.3億ドル(予想:1.22億ドル)
- ガイダンス:FY2020 EPS 0.02〜0.03ドル(予想:-0.01ドル)
- ガイダンス:FY2020 売上高 5.35〜5.4億ドル(予想:5.2億ドル)
オンラインビデオ会議サービスを提供するZoomの2020年第1四半期決算は、EPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回る好決算でした。まさにパーフェクトですね。
IPO後で初めての四半期決算でしたが見事に期待に答えてくれました。
売上高は1.22億ドルで、前年同期の6,070万ドルから倍増しました。成長率は+103%です。
営業キャッシュフローは2,220万ドルで、前年同期の280万ドルから大幅に増加しています。
顧客数は5万8,500顧客となり、これは前年同期から+86%の増加でした。
また年間支払額が10万ドルを超える顧客数は405顧客で、前年同期から+120%の増加でした。
全体的に非常に好調なビジネス状況が伺えますね。売上高、顧客数ともまだまだ成長余地を残しているように思います。
株価も好決算を受けて+18%と大きく上げました。私のポートフォリオ内でも評価額ベースの保有割合が伸びましたね。
Beyond Meat(BYND)も好決算!
- EPS:-0.14ドル(予想:-0.15ドル)
- 売上高:4,020万ドル(予想:3,893万ドル)
- ガイダンス:FY2019 売上高 2.1億ドル(予想:2.05億ドル)
- ガイダンス:FY2019 EBITDA 0ドル(予想:-1,200万ドル)
人工肉のBeyond Meatの2019年第1四半期決算は、EPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回る好決算でした。
こちらもIPO後初の決算でしたが市場の期待を超えてきましたね。
売上高は4,020万ドルで、前年同期の1,278万ドルから+215%と大きく成長しました。
売上高の内訳は下記表の通りで、特に「レストラン&フードサービス」向けの売上高が大幅に伸びています。ハンバーガーチェーン等への提供が急増しているのでしょう。
好決算を受けて株価は+40%近くも上昇しました。市場の期待も高まる一方です。
この流れが一時の流行で終わるのか定着するのかまだ見えませんが、面白い銘柄なのは確かですね。
DocuSign(DOCU)は事業多角化の戦略が課題?
- EPS:0.07ドル(予想:0.05ドル)
- 売上高:2.14億ドル(予想:2.08億ドル)
- ガイダンス:Q2 売上高 2.18〜2.22億ドル(予想:2.20億ドル)
- ガイダンス:FY2020 売上高 9.17〜9.22億ドル(予想:9.14億ドル)
電子署名サービスのDocuSignの2020年第1四半期決算は、EPS・売上高・ガイダンスの全てが予想を上回る好決算でした。
強いて言えばQ2売上高ガイダンスが予想と一致なのがもう一声でしたね。
しかしながら、株価の方は-12%と暴落と言ってもいいくらいに下落してしまいました。
この要因としては、DocuSignが電子署名から多角化を目指した結果、請求額の成長が鈍くなっているかもしれない点があるようです。
DocuSignは2018年9月に契約ドキュメント管理のSpringCMを買収し、自社のサービスに加えました。
今までは電子署名サービスのみを販売していましたが、この買収により契約や法関連のドキュメント管理も提供可能となった一方で、売る側も買う側も検討すべき事が増えるため、結果としてDocuSignの営業活動から契約までの期間(営業サイクル)が伸びてしまいました。決算カンファレンスのQ&Aで、営業サイクルが10日ほど伸びたとコメントしています。
従来よりも多様なサービスを提供し始めたことで顧客の契約決定の進みが遅れており、結果としてDocuSignの請求額に影響が出始めているのではということのようです。
実際に請求額の成長率を並べてみると下記チャートのようになります。
前年同期の2019年Q1は33%の成長率でしたが、今回はそれが27%に低下しています。今期Q2のガイダンスに従うとQ2も28%の成長率でほぼ同じです。
DocuSignの事業が多角化することで請求額の成長も加速して欲しいところですが、今のところはまだ上手く軌道に乗っていないような印象ですね。このへんの成長ストーリーがさらにしっかりしてこないと株価回復は難しいかもしれません。
Domo(DOMO)は弱気なガイダンスが気になる
- EPS:-1.08ドル(予想:-1.28ドル)
- 売上高:4,080万ドル(予想:4,069万ドル)
- ガイダンス:Q2 EPS -1.02〜-0.98ドル(予想:-1.00ドル)
- ガイダンス:Q2 売上高 4,100〜4,200万ドル(予想:4,227万ドル)
- ガイダンス:FY2020 EPS -3.87〜-3.79ドル(予想:-4.02ドル)
- ガイダンス:FY2020 売上高 1.73〜1.74億ドル(予想:1.74億ドル)
データ分析サービスのDomoの2020年第1四半期決算は、EPS・売上高は予想を上回るものの、ガイダンスが予想を下回る内容でした。
今期、通年のガイダンスが弱く、株価も一時は-18%も下落していました。その後に少し持ち直しましたが、終値は-6%となりました。
ちょっと弱気なガイダンスが気になりますね。どういう要因によるものかは分かりませんが、DocuSign同様に成長性を期待させる何かを示すことが必要に思いますね。次回以降の決算の数字に注目しておきましょう。