スプリントとの合併を進めているTモバイルが2018年第1四半期の決算を発表しました。携帯契約者数は順調に伸びているようですが合併進展の弾みとなるでしょうか。
Tモバイル(TMUS)の2018年第1四半期決算
- EPS:0.78ドル(予想:0.71ドル)
- 売上高:104.6億ドル(予想:103.5億ドル)
- ガイダンス:2018年通期の加入者純増数の見通し 260万〜330万人(前回発表の見通し200万〜300万人から引き上げ)
Tモバイルの2018年第1四半期(1月〜3月期)の決算はEPS・売上高がコンセンサス予想を上回る好決算でした。
2018年通期の加入者純増数の見通しも前回発表から引き上げられました。
米国キャリアのトップ3の中では最も加入者純増数の成長が高いTモバイルですが、通期の見通しを引き上げたということは今年後半も引き続き好調な決算を期待したいですね。
Tモバイルとスプリントの合併合意が発表され、残るは規制当局の承認待ちとなりました。TモバイルCEOはトランプ大統領と過去に確執があったそうですが、本件の行く末は興味深く見守りたいです。
チャートで見るTモバイルの四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
Tモバイルの2018年Q1決算は、売上高が前年同期比で+9%の104.6億ドルでした。
営業利益は+24%と大きく伸びて12.8億ドル、営業利益率も+1%の伸びでした。
純利益は前年同期から微減で6.7億ドルでした。
Tモバイルのカスタマーサービスは大きく3つ(ポストペイド、プリペイド、ホールセール)です。
ポストペイドは料金後払いの契約で一般的なモバイルユーザー向けのサービスです。所謂、月額払いのプランですね。
プリペイドは前払いサービスでプリペイドカード等を含みます。
ホールセールはM2M(Machine-to-Machine)やMVNOの業者に回線提供するサービスです。
サービス別の売上高比較(単位:百万ドル)
サービス別の売上高比較です。
最も売上高が大きいのがポストペイドで、前年同期比で+7%の50億ドルとなりました。売上高全体に対しては48%を占めています。
プリペイドも+4%伸びて24億ドルでした。売上高に占める割合は23%ほどで、ポストペイドとプリペイドを合わせると全体の7割になります。
ホールセールは僅かに売上高を下げていますね。しかし売上高では3%を占めるだけですので影響はほとんどないでしょうね。
サービス別の加入者数(単位:千人)
2018年Q1の加入者数は上のチャートの通りで、全体の半分以上をポストペイドが占めていますね。
売上高の状況と合わせて、やはりモバイルユーザー向けのポストペイドサービスがTモバイルのメイン事業といってよさそうです。
契約者の純増数(単位:千人)
携帯電話関連でポストペイドとプリペイドの加入者純増数を見てみます。
ポストペイドが前年同期比で+10%の100万人の純増となりました。そのうち携帯電話の契約者純増数は61万7,000人でした。
ライバルのベライゾンとAT&Tのポストペイド純増数がそれぞれ26万人と15.8万人だったことをみても、Tモバイルはいま非常に勢いにのっていますね。
反対にプリペイドはおよそ半減していましたが、Tモバイルのビジネス的にはポストペイドの加入者数が急増していることのほうが重要なのでしょう。
ポストペイド純増数の推移(単位:千人)
ポストペイドの純増数の推移です。
期によって上下しますが、だいたい80万〜100万台あたりの純増数をキープしているのがTモバイルの勢いを示していますね。
ライバルのベライゾンと純増数を比較(単位:千人)
Tモバイルの勢いを見るため、ライバルのベライゾンと純増数を比較してみます。ベライゾンはワイヤレス・ポストペイドの純増数です。
2017年Q4はベライゾンが上回っていましたが、全体的にTモバイルの純増数のほうが上ですね。
Tモバイルが100万人近くの純増をキープしているのに対し、ベライゾンは60万人あたりが平均でしょうか。ベライゾンは時折大きく下がっているのが気になりますね。
全体的な期ごとの純増数、およびその安定性の点で、Tモバイルの方が事業を安定して成長できていると思われますね。
スプリントとの合併が上手く進展するかによりますが、このまま合併が実現すればベライゾンおよびAT&Tにとっては強力なライバルの誕生になるでしょうね。