次世代ファイアウォールなどサイバーセキュリティ製品を扱うパロアルトネットワークスが四半期決算を発表しました。
パロアルトネットワークス(PANW)の概要
パロアルトネットワークス(Palo Alto Networks, Inc.)は、ネットワーク用セキュリティー・ソリューションのプロバイダー。アプリケーションの識別と制御、コンテンツのスキャンによる脅威の防止、データ漏えいの防止、アプリケーション、ユーザー、コンテンツの総合的な可視化を実現するファイアウォールを提供。世界中で事業を展開。
パロアルトネットワークスはサイバーセキュリティ製品を扱う企業です。昨今、ランサムウェアやデータ漏洩などますます物騒になってきていますから、パロアルトネットワークスのようなセキュリティ企業の需要は高まっていると思います。
パロアルトネットワークスはネットワークセキュリティ、エンドポイントセキュリティ、クラウドセキュリティを提供し、さらにサードパーティと連携してより広範なクラウド向けのセキュリティプラットフォームを構築しています。
クラウドがIT基盤のデファクトとなった今、クラウド上でアプリ開発とサービス提供をする企業は増え続けるでしょう。パロアルトネットワークスの価値はさらに増していくでしょうね。
パロアルトネットワークスの2018年第3四半期決算
- EPS:0.99ドル(予想を0.03ドル上回る)
- 売上高:5.671億ドル(予想を2,142万ドル上回る)
- ガイダンス:Q4 売上高 6.25〜6.35億ドル(予想:6.18億ドル)
- ガイダンス:Q4 EPS 1.15〜1.17ドル(予想:1.21ドル)
- ガイダンス:2018年通期 売上高 22.4〜22.5億ドル(予想:22.1億ドル)
- ガイダンス:2018年通期 EPS 3.86〜3.89ドル(予想:3.89ドル)
パロアルトネットワークスのFY2018年Q3の決算は、EPS・売上高がコンセンサス予想を上回りましたが、ガイダンスはEPSが予想と比べて弱気でした。
売上高は大きく伸びそうですが利益面で不安が残ります。
パロアルトネットワークスといえば、先日に元ソフトバンクのアローラ氏がCEOに就任すると発表されたばかりですね。
アローラ氏の就任によりパロアルトネットワークスのさらなる成長に期待が募りますね。
株価の推移を見てみると、2015年後半までは好調な推移でしたが、2016〜2017年あたりがちょっと停滞していますね。
しかし2017年に入ってからは再び上昇トレンドを描いています。この勢いがどこまでキープできるかが見ものです。
チャートで見るパロアルトネットワークスの四半期決算
売上高、収益の比較(単位:百万ドル)
パロアルトネットワークスのQ3は、売上高が+31%の伸びで5.671億ドルでした。
粗利益も+32%の成長で、粗利益率もちょっぴり上がっていました。
純利益は+67%と大きく伸び、純利益率も3.6%ほど上がりました。
全体的にQ3決算は好調だったと思いますね。
売上高の内訳(単位:百万ドル)
パロアルトネットワークスの売上高の内訳は、大きくは製品とサブスクリプション&サポートの2つです。
どちらも+30%程度の成長でした。バランスよく伸びていますね。
EPSの成長率
非GAAPでのEPS推移と成長率を見てみます。
FY16Q4〜FY17Q3まではおよそ0.6ドル前後でしたが、その翌四半期に0.9ドル台にまで伸びましたね。
FY18Q1でちょっと下げてますがその後は再び0.9ドル台に戻しました。
成長率も30%台から60%台に上がりました。このまま順調に成長するかどうかですね。
売上高に対する各コストはほぼ横ばい
売上高に対する営業費、研究開発費、販管費の割合を見てみます。
最も大きいのはやはり営業費で、およそ40%前後といったところです。あまり大きな変化はしていませんが、しいて言えば少しずつ減少しているようにも見えます。
研究開発費は11%前後、販管費は6%前後といったところでしょうか。これらもほぼ横ばいですね。
コスト的には大きく増えることもなければ削減されることもない状況のようです。
ガイダンスが予想に届かず株価が下落?
決算発表後の取引で-4%近く株価が下落いていました。
Q3決算は好調でしたが、Q4ガイダンスと年間ガイダンスでEPSが予想に届かなかったのが嫌気されたのでしょうか。
パロアルトネットワークスは投資対象としても興味あるのですが、状況がはっきりするまでは投資は待とうと思います。