グーグルの親会社であるアルファベットが2018年第1四半期決算を発表しましたのでご紹介です。
アルファベット(GOOG)の2018年第1四半期決算
- EPS:9.93ドル(予想:9.28ドル)
- 売上高:311.5億ドル(予想:302.9億ドル)
アルファベットの2018年Q1決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。売上高は前年同期比で+26%の成長でした。
前記の決算はイマイチでしたが、今回はしっかりと良い決算をだしてきましたね。
チャートで見るアルファベットの四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
アルファベットの2018年Q1は、売上高が+26%の伸びで311.5億ドルでした。
営業利益は+7%の成長で70億ドルでした。営業利益率は22%でしたが、こちらは前年同期比でちょっと減少してますね。
純利益が大きく伸びているのは、今回の決算から新会計基準(ASU2016-01)を採用したことによる影響とのことです。
アルファベットの売上高内訳(単位:百万ドル)
アルファベットは広告収入が売上高全体の86%近くを占めています。
図示されてませんが、その他の賭け(Other Bet)部門はおよそ1.5億ドルです。この部門は自動運転技術などのアルファベットの次代を担う事業を開発する部門です。
その他部門は、グーグルのクラウド事業であるGoogle Cloud Platform、モバイル向けのGoogle Playストア、ハードウェアなどを含みます。
そして今回の決算から、スマートホーム事業のNestが「その他の賭け」部門から「その他」部門の決算に加わりました。Nestは晴れて「賭け」からの卒業ですね。
広告収入の推移(単位:百万ドル)
アルファベットの事業を支える広告収入の推移です。
2018年Q1は266億ドルで、前年同期比で+24%の成長でした。
広告収入自体は時折上下しながらも着実に成長しているようですね。
また成長率の方もここ最近は20%超えの数字となっており、高い成長率を維持できています。
トラフィック獲得コストの推移(単位:百万ドル)
グーグルはアップルなどのパートナー企業にコストを払うことで、iPhoneユーザなどからのトラフィックを獲得して広告収入につなげています。このトラフィック獲得コスト(Traffic acquisition costs:TAC)の推移を見てましょう。
2018年Q1のTACは62.8億ドルで、対広告収入の割合は24%でした。前年同期の2017年Q1の割合が22%でしたので、わずかにコストが増加していますね。
またTACの伸び率は36%で、毎期ごとに伸び率が増えているのが気になります。要因としてはやはりモバイルユーザーの増加による影響が大きいのでしょう。
2018年Q1は売上高の成長が26%、広告収入の成長が24%でしたので、コストであるTACの伸び率の方が大きい状況ですね。この差をどれだけ詰めていけるかが課題のように思います。
広告クリック数と単価の成長率
広告クリック数と単価について前年同期比での成長率の推移です。
2018年Q1は広告クリック数が+59%と大きく伸びました。ここ最近はクリック数の成長は下降気味でしたが、このまま上昇トレンドを描けるかがポイントでしょうね。
一方、広告クリック単価は-19%で、対前期比でも-7%の減少でした。もともとグーグルの広告クリック単価はモバイル向けやYouTube向け等の単価の低い広告の増加により毎期マイナスとなっていましたが、今回の決算ではマイナスの幅がちょっと増えましたね。
これも先程のTACと同様にモバイルユーザーの増加による影響が大きいのでしょうね。
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今回から未公開株式への投資など情報を開示
アルファベットは今回の決算から未公開株式への投資などの情報を初めて開示しました。
同社は今四半期に複数の新たな指標を投資家に示した。ウーバーなど非公開株への大型投資の詳細を初めて開示し、株式投資で1-3月期に30億ドルの利益を計上したことを明らかにした。この投資収益が1株利益を3.40ドル押し上げ、それを除いた場合は9.93ドルだった。
Uberなど新興企業への投資により、およそ30億ドルの未実現利益を計上しました。前年同期はこの投資による利益は2.5億ドルだったようで、そこから随分と大きく伸びていますね。新興企業への積極的な投資姿勢が伺えます。
またクラウド事業などへの設備投資を大幅に増加させていることも分かりました。クラウド事業であるGoogle Cloud Platformへの設備投資の他、チェルシーマーケットの建物取得による設備投資です。
大型の不動産投資や、グーグルのクラウドコンピューティングとハードウエア事業への投資を受け、アルファベットの設備投資はほぼ3倍の77億ドルに膨らんだ。
グーグルのクラウド事業を含むその他部門の売上高は+36%の43.5億ドルで、広告収入を超える成長率を見せています。クラウド市場ではまだまだAmazonが支配的ですが、グーグルはまだまだクラウド事業を諦めていないですね。
スマートスピーカーのGoogleHomeもAmazon Echoを急速に追い上げていますし、対Amazonの事業の成長には今後も要注目ですね。