先日に倉庫の働き手を増やすための大規模な雇用イベントを開催したAmazonですが、人を増やしているのは倉庫だけではないようです。そこにはAmazonの思惑が秘められているのでしょうか。
8月2日に開催されたAmazon Jobs Day
At Nation's Largest Job Fair, Amazon Expects to Hire Thousands
Amazonは8月2日に大規模な(米国最大規模)ジョブ・フェア Amazon Jobs Dayを開催しました。米国12か所(そのうち10か所が配送センター)に設置された特設テントで朝から採用面談や倉庫ツアーが実施されたようです。
このイベントで採用予定のフルタイムとパートタイムの従業員数は5万人とのことです。現在のAmazonの従業員数は38万人程度のようですから、全体の1割強に当たる数の人を新規に倉庫センター向けに採用する計画ですね。ホールフーズを買収したこともあり、Amazonはますます倉庫センターを拡大させるつもりなのかもしれません。
Amazon Jobs Dayの様子は下記動画で見ることができます。大勢の人が会場入りのために並んでいますね。
こちらの記事でも写真付きで現地の様子を伝えています。
雇用を増やしているのは倉庫だけではない?
記事によると、Amazonで最も急速に雇用を増やしている部門は倉庫業務等ではなくクラウド事業(Amazon Web Services、AWS)と広告事業(Amazon Advertising)の営業部門であると、先日の業績発表の場でAmazon CFOが述べていたそうです。
"The sales force [for AWS and advertising] has grown higher than the rate of growth in the business itself," Amazon CFO Brian Olsavsky said during the call.
「(AWSと広告事業に関する)営業部隊は、それら事業の成長率を上回る値で成長している」とAmazon CFOであるBrian Olsavskyは業績発表の場で述べた。
現在Amazonのクラウド事業であるAWSは好調に伸びていますし、広告事業も順調に成長している中で、それらを上回る成長率で営業部門を強化しているということは、Amazonはクラウド事業と広告事業の拡大にかなり本腰を入れているのではという印象です。第2四半期の決算が大幅な減益を示す中でAWSの事業収入は41%増加しており非常に頼りになる事業であることが伺えます。
営業部門の強化は大口顧客との契約増加への布石か
昨今のクラウドサービスは顧客が自分たちだけで必要な作業ができるセルフサービスが売りですが、顧客の規模が大きくなるとしっかり営業部門やその後ろのサポートとやり取りできることを望むケースが多いようです。
クラウドと広告の両部門の営業を強化することで、彼らが大口顧客との長期契約をどんどん取ってくることを期待しているのでしょうね。
クラウド事業では既にリーダーのポジションにいるAmazonですが、広告事業ではGoogleやFacebookとの激しい競争の真っ只中です。実世界の倉庫拡大だけでなくオンラインの事業強化に向けた投資はこれからも活発にあることでしょう。2017年も下記記事にあるようにAmazonから目が離せませんね。