Googleの持株会社であるAlphabetが決算発表しました。広告などの売上高が予想を下回り、株価は大きく下げそうです。
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Alphabetの2019年第1四半期決算
- EPS:11.90ドル(予想:10.44ドル)
- 売上高:363.4憶ドル(予想:373.6憶ドル)
Alphabet(GOOG)の2019年第1四半期決算は、EPSがコンセンサス予想を上回るものの売上高が予想に届きませんでした。
セグメント別では、広告事業が307.2億ドル(+15%)、その他部門が54.5億ドル(+25%)、Other Bets(その他の賭け)が1.7億ドル(+13%)でした。
広告事業の前年同期(18年Q1)での成長率は+24%でしたので、それと比べると広告事業の伸びが鈍化していると考えられそうです。
CFOによれば売上高の低迷は為替や競合、広告商品の変更など、複合的な要因によるものとのことです。
アルファベットのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は売上高の伸び鈍化について、為替変動や競争激化のほか、商品の変更が影響したと説明したが、変更の具体的な内容は明らかにしなかった。
またデスクトップおよびタブレット向けの広告が伸び悩んでいることが原因との指摘もありました。
デジタルマーケティング会社マークルがまとめたデータによると、グーグルの広告収入の伸びはモバイル機器では堅調だったが、デスクトップとタブレットではほとんど見られなかった。このため全体として伸びが鈍化したとマークルのアソシエートディレクター、アンディ・テーラー氏は分析。
広告事業の競合であるTwitterやSnap、Facebookなどの四半期決算が好調だったこともあり、Googleの広告から顧客が流れているのではとの懸念も出てきています。
こうした理由からAlphabetの株価はアフターマーケットで-7.3%も下落しました。
セグメント別の売上高と成長率
Googleの各セグメントの売上高および成長率の推移です。
売上高自体は伸びてはいますが、成長率がずっと下がり気味なのがやはり気になりますね。
広告事業のGoogle propertiesとNetwork Memeber's propertiesも2018年Q1あたりからずっと成長率は減少しています。
Googleのクラウドサービスやスマートスピーカーを含むその他部門も、成長率は上げ下げしながらも下降し続けてますね。
トラフィック獲得コストと売上高に占める割合
Googleの広告に流れるトラフィックを獲得するためのコスト(TAC)の推移と、それが広告売上高に占める割合の推移です。TACはiPhoneの検索エンジンをGoogleにしたり、他社媒体へ広告配信したりすることで発生するコストとなります。
今回のTACは68.6億ドルでした。毎年Q1はTACが下がっていますので、Q2以降のTACの上昇をどれだけ抑えられるかが利益獲得に影響してきます。
TACの広告売上高に占める割合は少し減少して22%となりました。こちらはちょっと減少傾向ですが、おおむね20%台前半におさまる形で推移していますね。
設備投資額は減少
今回の設備投資額は46.4億ドルで、前期18年Q4の70.8億ドルから大きく下がりました。
売上高に占める割合も13%になり、こちらも前期の18%から減少でした。
前回の決算時では支出急増による利益圧迫が懸念されていましたが、今回はちょっと抑えてきた形ですね。これが一過性のものかどうかは今後も要注意です。
Alphabetの今回の決算ではGoogleの広告事業とその他部門の成長鈍化が目立ってきました。
特に主力の広告事業は、ライバル会社の決算が良かっただけに顧客の他社流出の懸念が高まりますね。この懸念を今後どうやって払拭するかが課題となりそうです。
クラウドサービスやスマートスピーカーを含むその他部門は高成長ながらも売上高のパイはまだ小さいです。こちらも継続して成長できるかに注目ですね。
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