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【ESG投資シリーズ⑥】ESG投資とは何をすることか

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ESG投資について「だれが」「なぜ」ESG投資をしているかについてまとめてきました。今回は「どのように」ESG投資がなされているかについて見ていきましょう。

 

 

過去記事:「だれが」「なぜ」ESG投資をしているのか

www.us-stock-investor.com

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参考文献

ESG投資 新しい資本主義のかたち

ESG投資 新しい資本主義のかたち

 

 

ESG投資の方法

ESG投資とは具体的に何をすることなのでしょうか。

参考文献によれば、ESG投資の方法は大きく次の3つに分類できます。

  1. 投資先の選別
  2. 除外と売却
  3. ESGに関連する株主エンゲージメント

 

投資先の選別:ポジティブ・スクリーニング、インテグレーション等

1つの目の方法は、企業・環境・社会の側面から企業を評価して投資先を選ぶ方法です。これを「ポジティブ・スクリーニング」と呼びます。

例えばESGの格付けやスコアを参考にある基準以上の企業を選び、そこからさらに財務的評価を行って絞り込むといった方法が挙げられます。

 

また業種ごとにESG評価の最も高い企業を選んで投資する「ベスト・イン・クラス」という方法もあるようです。

 

もう一つの方法として「インテグレーション」があります。これは通常の株式投資の際に行う財務的評価と合わせて、同時にESG観点も考慮する方法です。

例えば将来、環境問題による化石燃料の規制強化や再生可能エネルギー市場の拡大が予想される場合に、自動車会社への投資を考える際にその会社の電気自動車・水素自動車の取組状況や進捗状況も財務状況と合わせて評価するわけです。

 

これら3つの方法は総じて言うと「投資判断にESG評価を統合」する方法です。

 

企業のESG評価を知る方法としては、例えば過去に紹介したYahoo Financeを利用する方法があります。

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上記Yahoo FinanceにESG評価情報を提供しているSustainalytics社は新たに炭素リスクの格付け情報を提供開始しました。今後もこういったESG評価情報に触れる機会は増えるのではないでしょうか。

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除外と売却:非人道的兵器会社の除外、化石燃料関連会社の売却等

ESG投資の中で最も使われている方法が「投資先からの除外」だそうです。

例えば最近、資産運用会社の最大手であるブラックロックが、自社の一部ETFから銃器製造・販売企業を除外すると発表しました。

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またタバコ会社も投資除外対象としてよく挙がりますね。

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こうした除外は倫理的・規範的な観点から、非人道的兵器会社や環境負荷の高い会社、健康に与える影響が大きい会社等を投資先から除外する方法です。

 

もう一つの方法として、長期的にみて投資リスクになり得る企業を売却する「ダイベストメント(Divestment)」という方法もあります。投資(Investment)の逆ですね。

下記のように化石燃料関連企業の売却が最も多い印象です。

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こうしたESG投資は「倫理的・規範的・財務的な投資判断としての除外・売却」といえますね。

 

エンゲージメント:株主の立場からESG課題の改善を測る

ESG投資におけるエンゲージメントとは、株主と企業が明示的な課題と達成すべき目的を定めて行う「対話」を指します。

ESG投資を行う機関投資家や資産家が、投資先企業における社会問題や環境問題への対応について株主の立場から積極的に経営者と話し合い、株主総会で意見交換を行って改善のための対話を行います。通常は建設的、友好的な対話が行われますが、経営者から満足のいく結果を得られなければ、社会・環境問題の対策を理由に株式を売却することもあり得ます。

エンゲージメントとは・意味 | Sustainable Japan

 

例えば、最近に問題となったFacebookの個人情報不正利用の問題に対して、株主であるカリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)がエンゲージメントを行っていました。

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カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)は4月5日、フェイスブックの個人情報流出問題について、同社株主としてエンゲージメントを行っていることを発表した。ユーザーデータの保護への取組、及びユーザー、株主、社会からの信頼回復のためのステップ等を協議している。カルスターズは、フェイスブックの上場前から株式を保有しており、現在の株式保有額は9億3,120万米ドル(約1,000億円)。

 

このように企業との対話を通じてESG課題への対応と改善を求めていきます。企業側も建設的な対話を通して課題を認識すれば、それへの対応が様々な側面でメリットがあるとわかりしっかり対応するでしょう。

最近では資産運用会社ステート・ストリートが、同社の投資先企業に対して締役会に女性役員を1名以上任命するようエンゲージメントを行った結果、新たに世界152社で女性取締役が誕生したと発表しました。

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ESG投資の動機と各方法の対応関係

なぜESG投資をするのか」をまとめた記事で、財務的な動機にはESGをリスクと見る場合と機会と見る場合があることに触れました。

 

ESGをリスクと見る場合は、そのリスクを避けると言う意味で「除外」と「エンゲージメント」が中心になります。ESGリスクのある企業を投資先から除外する、またはエンゲージメントを通じて対応を求める方法です。

 

またESGを機会と見る場合には、「ポジティブ・スクリーニング」や「インテグレーション」により企業のESG評価を考慮することが中心になるでしょう。「エンゲージメント」を通じた経営の改善と企業価値の向上を促し、投資収益につなげる方法も考えられます。

 

財務的な動機の別の側面として、市場のほぼ全ての銘柄に投資をする「ユニバーサル・オーナー」という立場も紹介しました。基本のGPIFもユニバーサル・オーナーの一つです。

こういった立場からは市場平均全体を引き上げるためにパッシブ運用での「エンゲージメント」とESGインデックスが代表的な方法とのことです。ESGインデックスはその採用銘柄が公表されることで企業側にインデックスに選ばれたいというインセンティブが働くことが期待されます。

 

非財務的な動機として倫理的・規範的な動機があります。基本的には先程のESGリスクと同様に「除外」と「エンゲージメント」が中心になるでしょう。

 

 

ここまで「だれが」「なぜ」「どのように」ESG投資をしているのかについて簡単にまとめてきました。

一口にESG投資と言ってもその動機や方法は非常に多様であり、また各機関投資家や企業の取り組みもまだまだこれからなのでしょう。私も長期投資家の一人として、ESG投資の動向には常に目を光らせておきたいと思います。

 

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