ここ数年、日本でもワーク・ライフ・バランスなる言葉をよく見聞きするようになりましたね。この言葉には色々な捉え方があると思いますが、ジェフ・ベゾスの考え方が興味深かったのでご紹介します。
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が嫌いなジェフ・ベゾス
こちらの記事でジェフ・ベゾスのワーク・ライフ・バランスに関する考え方が紹介されていました。(そもそもワーク・ライフ・バランスは和製英語ではなかったんですね)
ジェフ・ベゾスは過去のインタビューで働き方や私生活に関して質問に回答しており、その中にワーク・ライフ・バランスに対する彼なりの意見も含まれていました。
「バランス」はトレードオフを求められる
今年の4月のインタビュー記事で、ジェフ・ベゾスは下記のように語っています。
I get asked about work-life balance all the time. And my view is, that's a debilitating phrase because it implies there's a strict trade-off.
私はワーク・ライフ・バランスについていつも尋ねられます。私の見解では、その言葉は厳格なトレードオフを暗に示しており、活力を奪うフレーズですね。
ワークとライフの「バランス」という部分が良くないと考えているようですね。
どちらかの時間を多くすればもう片方の時間が減少する、そんなトレードオフを暗示しているということで、確かに日本が始めた「プレミアムフライデー」も仕事の時間をとにかく減らしてライフの時間を捻出するというトレードオフそのものでした。
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「バランス」の代わりに「ハーモニー」を使おう
彼の仕事と生活に関して考えていることはこちらの2016年のインタビューで触れられています。
生産性とパフォーマンスを向上させるためにやっていることを聞かれ、以下のように回答していました。
I think work-life harmony is a good framework. I prefer the word “harmony” to the word “balance” because balance tends to imply a strict tradeoff. In fact, if I’m happy at work, I’m better at home — a better husband and better father. And if I’m happy at home, I come into work more energized — a better employee and a better colleague.
「ワーク・ライフ・ハーモニー」が良い枠組みだと考えています。「バランス」は厳格なトレードオフを暗示する傾向にあるので、私は「バランス」という言葉より「ハーモニー」の方が好ましいですね。実際、もし仕事でハッピーなら、自宅ではさらに良い感じですね。より良き夫として、より良き父として。そして自宅でハッピーなら、さらに精力的に仕事に取り組めます。より良き社員として、より良き同僚として。
ジェフ・ベゾスはバランスではなく「ハーモニー」という言葉で仕事と生活の関係を語っています。
仕事も生活もトレードオフの発生するような別々のものではなく、お互いに影響を与え合うものとして一つの枠組みとして捉えていますね。その相互作用を「ハーモニー」と表現しているようです。
ジェフ・ベゾスはこの考え方をAmazonの従業員にも浸透させるべく、若い従業員から役員に至るまでワーク・ライフ・ハーモニーを教えているそうです。
This work-life harmony thing is what I try to teach young employees and actually senior executives at Amazon too. But especially the people coming in.
このワーク・ライフ・ハーモニーの考え方を私はAmazonの若い従業員や上級幹部に教えようとしています。特に(Amazonに新たに)入ってくる人に。
Amazonが成長をキープできているのも、このワーク・ライフ・ハーモニーを従業員が実践しているからかもしれませんね。
他にも先程の2016年のインタビューで述べられているようにジェフ・ベゾスは一日8時間の睡眠を日課にしているなど、決してワーカホリックな仕事人間という訳ではないんですね。
ワーク・ライフ・ハーモニーという考え方は、ぜひ私も意識して行動してみたいと思いました。あとできれば8時間睡眠もですね。