ユーエスがはじめて米国株を学ぶブログ

米国株投資を始めて3年目に突入。米国株初心者が学んだことを記録していきます。

参考文献:MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法

米国株を学ぶにあたり、まずは参考文献を選びました。 

 

MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法

MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法

 

 

Market Hack(外国株ひろば Version 2.0):世界のマーケットの情報を発信します - ライブドアブログ

サイト「Market Hack」はよく見ていましたのでこちらを購入。

ちょっと古い書籍になりますが、

簡潔かつロジカルにポイントが整理されており、

著者の長年の投資業界における知見(長期に渡り活用できる知見)を知ることができます。

知見は「Market Hack流投資術10ヵ条」の形でまとめられており、その一部を勉強がてら紹介します。

 

 

営業キャッシュフローのよい会社を買え

さっそく知らない言葉「営業キャッシュフロー」が出てきました。

営業キャッシュフローとは、ある企業が商品やサービを売ることで得た売上高から、原材料費などの支出を引くことで得られる現金収支を指します。  (p.24)

 とのことです。これを重視する理由は、「営業キャッシュフローは会計的に一番ごまかしにくいから (p.24)」のようです。

各社の営業キャッシュフローを確認する方法として、Yahoo Financeを活用する方法が紹介されていますので、実際に見てみます。

ここでは高配当株で有名なAT&T (ティッカーシンボル:T) を見てみましょう。

finance.yahoo.com

こちらのページで「Total Cash Flow From Operating Activities」が営業キャッシュフローにあたります。

f:id:us_stock_investor:20170503160207p:plain

右から2014年、2015年、2016年と年間ベースの値が表示されています。

本書では、この営業キャッシュフローが毎年着実に増えていることが投資先を選択する際の第一の足切りポイントと説明されており、その意味ではAT&Tは着実な増加が見て取れます。

 

また、同じ年の純利益を指す「Net Income」よりも営業キャッシュフローは必ず大きくなれけばいけないというのも大事なポイントです。もしその条件を満たしていない場合は無理矢理に利益を計上している粉飾リスクがあるとのこと。

 

次のポイントは営業キャッシュフローと売上高を比較した営業キャッシュフロー・マージンの確認です。

営業キャッシュフロー・マージンは「営業キャッシュフロー÷売上高」で算出します。

先程のYahoo Financeのページで「Income Stagement」をクリックし、「Total Revenue」をチャックします。

f:id:us_stock_investor:20170503161509p:plain

それでは毎年の営業キャッシュフロー・マージンを計算してみましょう。

営業キャッシュ
フロー
売上高 営業キャッシュフロー
マージン
2014 31,338,000 132,447,000 23.7%
2015 35,880,000 146,801,000 24.4%
2016 39,344,000 163,786,000 24.0%

(単位:千ドル)

ポイントは、この営業キャッシュフロー・マージンの値が15〜35%ある会社を狙うべし、ということです。AT&Tはその基準をクリアしています。本書によれば、平均的な米国株は11.9%前後となるそうです。 この値が基準を満足する会社は、すでに「儲けの構造」を築いているといえそうです。

ここまでの純利益、営業キャッシュフロー、売上高を並べると下記のようになります。

(単位:千ドル)

営業キャッシュフローが毎年増加しており、また必ず純利益よりも営業キャッシュフローが大きいことが見て取れます。営業キャッシュフロー・マージンも先程の通り毎年15〜35%におさまっていました。このようなバランスの取れた企業は、投資がうまくいくことが多いようです。特に長期投資を考える際の投資先として選ぶ際の大事なポイントになるかと思います。

 

ここまでのポイントをまとめると以下になります。

  • 営業キャッシュフローが毎年着実に増えていること
  • 純利益よりも営業キャッシュフローの方が大きいこと
  • 営業キャッシュフロー・マージンが15〜35%であること

 もちろん投資の世界に「絶対」はないわけですが、優良な米国株を探す際の考え方としてぜひ参考にしていきたいと思います。