生活必需品セクターへの追加投資を考えています。今のところは保有銘柄のP&Gを買い増ししたいと思っていますが、その競合のキンバリー・クラークやクロロックスも気になっています。
P&Gとキンバリー・クラークとクロロックスの比較
3社とも生活必需品
3社とも生活必需品セクターに分類される企業ですね。
P&Gはグローバル展開のブランドを様々な分野で保有しており、日本では洗剤(アリエール、ボールド他)、家庭用品(ファブリーズ他)、衛生用品(パンパース、 ウィスパー他)、ヘアケア製品(VS、パンテーン他)、化粧品(マックス ファクター、SK-II 他)などの製品を販売しています。
キンバリー・クラークは日本ではあまり馴染みのない名前ですが、製品ではティッシュペーパーのクリネックス(Kleenex)が有名ですね。その他、トイレットペーパーや紙おむつなど、紙製品のグローバル・ブランドを多く保有しています。
クロロックスは主に家庭用洗剤の強いブランドを持っています。日本では見かけることは少ないかと思いますが、各製品カテゴリでNo.1またはNo.2のシェアを持つブランドを多数保有しています。
どれも一般消費財としての生活必需品に強みがあり、特に紙製品ではP&Gとキンバリー・クラークが競合関係に、洗剤関係ではP&Gとクロロックスが競合関係になっています。P&Gは幅広いポートフォリオを持つがゆえに競合も多いですね。
どれも配当王!
3社とも連続増配の長い歴史を持つ配当王です。
P&G(PG)は連続増配61年!
PG: Dividend Date & History for Procter & Gamble
キンバリー・クラーク(KMB)は連続増配45年!
KMB: Dividend Date & History for Kimberly-Clark
クロロックス(CLX)は連続増配40年!
CLX: Dividend Date & History for Clorox Co.
どの企業も投資家を大事にする姿勢が素晴らしいですね。今後も継続して増配してくれると強く期待できます。
ちなみに現在の各社の配当利回りは下記のとおりでした。
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株価は明暗が別れる結果に
年始からの株価の増減率を3社で比較しました。紫がP&G、青がキンバリー・クラーク、緑がクロロックスです。
当初はキンバリー・クラークとクロロックスがP&Gより高い増加率で似たような動きをしていましたが、6月末ごろからキンバリー・クラークの株価が下がり始めました。結果、現状では3社の中ではキンバリー・クラークの低迷が際立っています。キンバリー・クラークのQ2決算によれば、競合との競争激化により北米や新興国での売上が減少しており、その辺がさえない株価の原因ではないかと思います。
各社の経営状況
P&G
キンバリー・クラーク
クロロックス
営業CFマージンは各社とも上下してますね。値そのものは15%〜20%程度と高い水準にありますが、営業キャッシュフローは連続増加している訳ではなく、各社ともビジネス改善の途上にある印象を受けました。
各社の四半期決算の発表はこれから
各社の四半期決算発表はこれからです。どこに投資するかはその発表内容を見た上で判断したいですね。
各社の直近の関連ニュース
P&Gは10月10日の株主総会に注目
現在のP&Gは委任状争奪戦の真っ只中で、トライアン・ファンド・マネジメントを率いる資産家ネルソン・ペルツ氏が取締役の席を確保するかどうかが注目です。ペルツ氏が取締役に就任した場合、P&Gの経営方針にも大きく影響すると思われます。
キンバリー・クラークは米国内での評価が急増
ティッシュペーパーの「クリネックス」などを製造する米キンバリークラークは、昨年の87位から7位に躍進し、初のトップ10入りを果たした。「キンバリークラークは成功への重要指標として評価を戦略の優先事項とし、時間・エネルギー・労力の多くをCSR(企業の社会的責任)に費やした」とRIの北米部門マネジングディレクター、スティーブン・ハーングリフィスは語る。
キンバリー・クラークは昨年から持続可能社会への取り組みとしてSustainability 2022を開始しており、そういった取り組みが評価につながっているのだと思います。
クロロックスのCEOは従業員支持率No.1!
米キャリアサイト「グラスドア」が実際の従業員を対象にCEOの評価を調査し、その結果クロロックスのCEOベノ・ドーレ氏が支持率99%で1位となりました。
支持率99%で首位を獲得したのは、クロロックスのドーレCEOだ。昨年はトップ50にすら入っていなかったにも関わらず、異例の急上昇を遂げた。「仕事と私生活のバランス」のとりやすい環境を提供することで、従業員から絶大な支持を受けている。
米国でも働き方改革やワークライフバランスの流れが強くなってきたのでしょう。それにしても99%の支持率は圧巻です。
企業に大きな改革が訪れるかもしれないP&G、企業の社会的責任を重視することで評価を急増させたキンバリー・クラーク、従業員からの支持率No.1 CEOが率いるクロロックスと、3社とも今後の方向性を占うシチュエーションにいるのかもしれませんね。
ひとまずは次の決算発表の内容次第ですが、「好きなものに投資したい」という考え方から、こういった企業の姿勢や文化も大事にして投資先を決めようと思っています。