Dropboxが第2四半期決算を発表しました。内容的には好決算でしたが同社の株価は-9%ほども下落してしまいました。
Dropbox(DBX)の2018年第2四半期決算
- EPS:0.11ドル(予想:0.07ドル)
- 売上高:3.39億ドル(予想:3.31億ドル)
- ガイダンス:Q3 売上高 3.5〜3.53億ドル(予想:3.459億ドル)
- ガイダンス:2018年通期 売上高 13.66〜13.72億ドル (予想:13.6億ドル)
Dropboxの2018年第2四半期決算はEPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回る好決算でした。
2018年の売上高見込みは前回ガイダンスの13.43〜13.55億ドルから引き上げられました。
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
売上高は前年同期比で+27%の成長でした。
粗利益は+42%の2.53億ドルで、粗利益率も74.5%に伸びました。
純利益は+140%の4,800万ドルで、EPSも前年同期の0.06ドルから0.11ドルに成長しました。
有料会員数(単位:百万会員)
Dropboxの有料会員数は前年同期比で+200万会員増えて1,190万会員となりました。
前四半期の有料会員数が1,150万会員でしたので+40万会員の増加です。
一方で有料会員数の成長率は少し下げて20.2%となりました。
前四半期の決算
Q2決算内容は好調でしたが、決算発表後に株価の方は-9%と大きく下落してしまいました。前日に大きく株価は伸びていましたがそれを全て帳消しにしてますね。。
Dropboxの株価急落の理由は?
Dropboxの決算発表の中でいくつかのトピックが挙がりました。それらが影響を及ぼしての株価下落ではないかと思われます。
COOのデニス・ウッドサイド氏が退任
現在COO(最高執行責任者)を務めるデニス・ウッドサイド氏が9月7日をもってその座を退任すると発表しました。
ウッドサイド氏はGoogleで広告事業を担当していましたが、Googleによるモトローラ・モビリティの買収に伴いモトローラ・モビリティのCEOに就任していました。
その後、2014年にDropboxが同氏をCOOに起用し、現在までDropboxのビジネス成長に大きく貢献してきました。
そのウッドサイド氏が急遽COOを退任するというアナウンスはDropboxの今後にも大きく影響を与えそうです。Dropboxによれば現在のところ新たなCOOの起用は予定していません。
ロックアップ期間の早期終了
9月18日に終了予定だったロックアップ期間がロックアップ契約の規定により8月23日に繰り上げられると発表がありました。
ロックアップ(ろっくあっぷ)
会社役員・大株主・ベンチャーキャピタルなどの公開前の会社の株主が、その株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないよう公開前に契約を交わす制度のことをいう。
ロックアップは上記の通り創業者やベンチャーキャピタルなどが新規公開株(IPO)の売却を一定期間できない契約のことですね。ロックアップ期間はその契約が有効な期間を指します。
Dropboxのようなスタートアップが上場後ただちに大量のIPOを売却すると株価暴落の懸念があり、それを抑止するための契約です。ベンチャーキャピタルは未公開株に投資をして公開後に株を売却するビジネスですが、彼らもロックアップ期間中は売却ができなくなるわけですね。
参考記事
逆に、ロックアップ期間が終わればベンチャーキャピタルや役員たちは株の売却が可能となるわけで、ロックアップ期間終了後に大口の売却が入り株価が大きく下落することも考えられます。
今回、Dropboxのロックアップ期間の終了日が繰り上げられたことで、株価の下落の前に売り抜けようと考えた投資家が多かったことが結果的に今回の株価下落の一因になったのではないでしょうか。
Dropboxのビジネス自体は好調さを失っていないと思いますが、特に人材の面でCOO退任が今後のビジネスにどれだけ影響を及ぼすか、この先の決算にも注目していきたいところです。