ユーエスがはじめて米国株を学ぶブログ

米国株投資を始めて3年目に突入。米国株初心者が学んだことを記録していきます。

スマートスピーカー競争は2強時代ですが、勝敗はより有益なデータを持つ側に軍配があがる?

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Amazon Echoから始まったスマートスピーカーの市場競争ですが、今のところはAmazonとGoogleの2強時代となったようです。特に音声技術の発展に必要なデータをどれだけ多量に用意できるかが競争のカギになりそうです。

 

 

Googleが「複数の音が混ざった音声から特定の1人の声だけを抜き出す技術」を開発

gigazine.net

記事によれば、複数人の音声が入り混じった音源の中から特定の人物の音声のみを抽出する技術をGoogleが開発したそうです。

 

実際の技術の凄さと面白さについては下記のデモを見るとわかりやすいですね。二人の音声のうち注目した方の音声がクリアに抽出されるのが分かると思います。

 

この技術を開発するために非常に役立ったのがYouTubeの動画コンテンツとのことです。

ディープラーニングの教材として、Googleの研究チームはYouTubeから10万もの講義や講演のムービーを収集し、その中から背景の雑音や他の人の話し声がなく、ムービーに発話者1人しか映っていない「クリーンな音声と映像」を約2000時間分抽出しました。これらのクリーンな音声と映像を複数合成して、研究チームは「人工のカクテルパーティー」を作成し、人工知能に学習を行わせました。その結果、選択した人物が話す声を強調し、関係のない音を抑制することが可能になったそうです。

 

Google(というよりAlphabet)のサービスであるYouTubeの動画コンテンツを上手く活用することで、同社の研究開発に貢献し、実際に将来性のある技術開発につながっているのが素晴らしいですね。

 

スマートスピーカーを支える音声技術はこうした教師データのバリエーションをどれだけ揃えられるかも勝敗のカギになりそうです。

 

現状ではスマートスピーカーはAmazonとGoogleの2強時代

www.voicebot.ai

調査会社Strategy Analyticsによれば、2017年Q4でのスマートスピーカー出荷台数はAmazonが約970万台、Googleが670万台とのことです。

市場シェアではAmazonが51.8%、Googleが35.7%とのことで、両社でおよそ9割近くを占めていますね。まさに2強時代だと思います。

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2018年からはAppleのHomePodが加わりますので市場シェアにも変化がでるとは思いますが、後発のHomePodがどれだけ市場に食い込めるかはちょっと読めないですね。価格も高めのHomePodはちょっと不利かなと個人的には思います。

 

Googleに市場を奪われたとは言え、Amazonの優位性は全く揺らいでいないでしょうね。とにかく他社に先駆けてAmazon Echoをばらまくことに成功しており、そのスピーカーから日々得られるデータ量はとんでもない量になっていると思います。こればかりは他の会社が真似しようと思っても既に追いつけない領域でしょう。

 

対するGoogleも1年遅れでGoogle Homeを市場に送り込み、なんとか2番手の位置を保持している状態です。この1年で大きくシェアを伸ばしていますが、Amazonを逆転するかどうかはちょっと難しいのではと思いますね。

AmazonもGoogleもスマートスピーカー対応のアプリ開発に自社のクラウドサービスがそのまま使える点がメリットであり、その点ではクラウド市場で圧倒的なシェアを誇るAmazonに軍配が上がりますね。

AmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)を使い慣れた人ならそのままスマートスピーカー対応のアプリ開発もAWSで完結するので、クラウドサービスのシェアがそのままスマートスピーカーのアプリ開発時の選択肢に大きく影響していると思います。

クラウドサービスではGoogleの存在感はAmazon、Microsoftに比べてまだまだ小さく、総合力ではAmazonが上かなと感じます。

 

一方でYouTubeという動画コンテンツのデータを多量に持つ点はGoogleならではの強みですね。今のところAmazonに同様なサービスはないですし、ユニークな動画コンテンツが多量に集まる点を有効に活かして、冒頭の音声技術開発などに繋げられれば、Googleにしかできないスマートスピーカー・サービスが実現できるのではと思います。

 

音声インタフェースという比較的新しいアプリがやっと市民権を得始めたばかりですし、両社の競争はまさにこれからでしょうね。

またAppleやMicrosoftといった企業も静観してばかりはいられないでしょうから、各社ユニークな取り組みをお披露目してくれるのではと期待しています。例えば企業のオフィス向けではMicorsoftの存在感が圧倒的ですから、データという切り口でも他の競合が持ち得ないデータが多量にあるのではと思いますね。スマートスピーカーでは遅れを取っている印象のMicrosoftがどういう手を打ってくるかが楽しみです。