ネットフリックス(NFLX)が2018年第1四半期(1〜3月期)の決算を発表しました。市場の予想を上回る内容で株価も高騰していますね。
ネットフリックスの2018年Q1決算
Netflix beats by $0.01, beats on revenue
ネットフリックス株上昇、1-3月契約者数が予想上回る - Bloomberg
- EPS:0.64ドル(予想を0.01ドル上回る)
- 売上高:37億ドル(予想を1,000万ドル上回る)
- ガイダンス:2018年Q2 EPS 0.79ドル(予想:0.65ドル)、売上高 39億3000万ドル(予想:38億9000万ドル)
ネットフリックスの2018年Q1決算(1〜3月期)はEPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回る好調ぶりでした。
またネットフリックスのビジネスを測る指標であるサービスのサブスクライバー数も予想を上回るものでした。
- 米国の新規サブスクライバー数:+196万人(予想:148万人)
- 海外の新規サブスクライバー数:+546万人(予想:498万人)
2018年のコンテンツ費用は75〜80億ドルを予定しているとのことです。2017年は60億ドルくらいだったようですので、さらにコンテンツへの投資を増やす計画ですね。
これらの結果を受けて株価が+7%近く上がっています。
チャートで見るネットフリックスの四半期決算
売上高の比較(単位:百万ドル)
ネットフリックスの2018年Q1の売上高は約37億ドルで、前年同期比で+40.7%の増加となりました。
まだまだ成長にかげりが見えてきませんね。
2016年からの四半期売上高の推移と、2017年からの成長率の推移です。
2017年はQ1〜Q3の成長率が減少傾向にありましたが、Q4に少し回復し、そして今回の2018年Q1で大きく成長率を改善していますね。
ネットフリックスの独自コンテンツの事業が好調なのでしょうね。
サブスクライバー数の比較
四半期でのサブスクライバー数の推移です。米国でおよそ+196万人、海外でおよそ+546万人の増加でした。
この結果、全世界のサブスクライバー数はおよそ1億2500万人となりました。すごい規模に成長しましたね。
米国のサブスクライバー数の推移(単位:千人)
米国でのサブスクライバー数と成長率の推移です。成長率は前期からの成長です。
売上高同様にここ最近は成長率が低迷し始めていたようですが、2017年Q4から改善してきたようですね。今後も3〜4%台の成長をキープできるかに注目ですね。
ついでに海外のサブスクライバー数の推移も見てましょう。
海外でも米国同様に2016年Q4の成長率が最大で、そこから少し下げてますが、それでも8%台の高い成長率を維持できていますね。
サブスクライバー数も最初は米国のほうが多かったですが、サービス展開の結果、2017年Q2からは海外の方がサブスクライバー数が多くなっています。そうは言っても米国が最重要な市場なのは変わらないでしょうね。
借金してでもコンテンツ制作に力を入れるネットフリックス
2013年の「ハウス・オブ・カード」のヒットもあり、年々オリジナルコンテンツの制作に力を入れているネットフリックスですが、今や借金を増やしてでもとにかくコンテンツによる差別化を推し進める方針のようで、参考までに長期借入金(Long-term debt)の推移を見てみました。
長期借入金の推移(単位:百万ドル)
当初は2億ドル程度の長期借入金でしたが、2013年あたりから額が増加し始めてますね。やはりオリジナル作品のヒットが契機になったのではと思います。
その後、年々その額は急増し、2018年Q1時点でおよそ65億ドルにまで増加しています。コンテンツ制作の本数も増えていることから、そのための投資もさらに必要になっているのでしょうね。
ユーザー1人あたりの平均単価は順調に増加
平均単価の推移
ネットフリックスの発表によれば、今回の好決算は新規サブスクライバーの増加と、平均単価(ASP:Average selling price)の14%の成長が支えたようです。
上記チャートはストリーミングの売上高を有料会員数で割って算出した平均単価の推移です。確かに2017年Q1の26.7ドルから2018年Q1の30.3ドルまで約14%(13.6%)成長していました。
毎期の平均単価を見ても順調に伸びてますし、最近になるほど伸び幅が増えてますね。
ネットフリックスのような課金ビジネスは「ユーザー数×ユーザあたり単価」で売上高が決まりますので、今のところどちらも成長しているネットフリックスのビジネスはかなり好調に思いますね。次の決算も非常に楽しみです。