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コミュニケーションツールのSlackがIPO申請。売上高やユーザ数などを早速チェック!

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NY証券取引所へのIPOを目指しているコミュニケーションツールのSlackがS-1を公開しました。早速中身をチェックしてみましょう。

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SlackがNY証券取引所へのIPOを目指してS-1申請書を公開

japan.cnet.com

コミュニケーションツールのSlackがIPOを申請し、合わせてS-1申請書を公開しました。

上場先はNY証券取引所(NYSE)で、ティッカーシンボルは「SK」となるようです。

 

ここまでリーバイスやLyft、Pinterest、Zoomといった注目のIPOが続きましたが、Slackもかなり注目度の高いIPOになると思いますね。

では早速S-1申請書の中身を確認してみましょう。

www.sec.gov

 

Slackのビジネス概況

世界150カ国以上、60万組織以上が利用。DAUは1,000万ユーザを超える 

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S-1の冒頭にある世界地図がSlackの現在の勢いを表してますね。

現在、Slackのユーザについては下記数値となっています。

  • 150カ国以上で導入
  • 60万以上の組織が利用中
  • 日次アクティブ・ユーザ数(DAUs)は全世界で1,000万ユーザ以上
  • DAUsの半数以上は米国外のユーザ
  • 50万人以上が開発者
  • 日々の業務で90分以上利用されている
  • 1週間あたり10億メッセージが送信されている

 

Slackのビジネスモデル

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そもそもSlackとは何かというと、上のようなチャットを基本とした組織内のコミュニケーションツールをサービス提供する会社になります。

 

かつてはビジネスでのコミュニケーションは電話やメールが主役でしたが、もっと気軽かつ使いやすい手段としてチャットがここ数年で一気に広まりましたね。そのチャットブームを牽引してきたのがSlackです。

 

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Slackがただのチャットツールに留まらない理由の一つは、他のシステムやサービスとの連携が非常に容易な点ですね。

上のように、会話の中でSalesforceの中にある情報が必要なときもコマンド一つでSalesforceから情報を取り出してチャット画面に貼り付けることができます。

他にもサポートデスクサービスのZendeskや開発チーム管理のアトラシアンのJIRAなど、世の中の多くのSaaSやアプリと簡単に連携ができ、日々の業務もSlackの中で完結させることも可能です。

 

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現在、1,500を超えるサービスやアプリと連携可能とのことで、代表的なものはカテゴリ別に上のものがあります。先日IPOしたZoomの名前もありますね。 

 

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Slackのビジネスモデルは所謂フリーミアムですね。

まずは個人や小規模なチーム向けに無料プランを提供し、そこからより高機能な有料プランへの変更を促すことで有料会員を増やすモデルです。

Atlassianもそうですが、こういう開発者向けサービスはエンジニアの好みが採用に大きく影響しますので、実際に使ってもらって気に入られれば、そのまま他のチームメンバや別チームにも導入されていく流れが作りやすいですよね。

エンジニア以外の営業やサポート部門でも、チャットの手軽さや便利さを体験すれば案外すんなりと導入されるのではと思います。

 

有料顧客数は順調に増加

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年度ごとの有料顧客数の推移です。Slackは1月31日を年度の終わりとしていますので、FY2019は2019年1月31日時点の数字となります。

 

Slackの定義では、有料プランのユーザが3人以上含まれる組織や団体を一つの有料顧客としてカウントしています。要は有料プランをサブスクライブしている組織の数ですね。

 

2017年度の有料顧客は37,000顧客でした。その翌年に+59%増加して59,000顧客となり、最新の2019年度では+49%増加で88,000顧客でした。

現在、Fortune 100の65社以上が有料顧客になっています。とても良いペースで有料顧客が増加してますね。

 

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こちらは年間購読料が10万ドル以上の大口顧客の推移です。

Slackの2017年度、2018年度、2019年度の売上高のうち、それぞれ約22%、32%、および40%がこれら大口顧客によるものでした。Slackとしてはこの大口顧客を増やすことを重視しています。

 

大口顧客の数は2017年度の135顧客から2018年度は298顧客に、そして2019年度は575顧客と、ほぼ倍増のペースで増えていますね。恐らくは大企業への導入が加速しているのではと想像します。

今後もこの顧客を継続して増やしていけるかがSlackの事業の命運を握りそうですね。

 

売上高は4億ドル、純損失は1億3,900万ドル

年度別の売上高、営業損失、純損失の推移です。Slackはまだまだ赤字ですね。

2019年度は売上高がおよそ4億ドル、営業損失が-1.54億ドル、純損失が-1.39億ドルでした。

 

売上高の成長率は、2018年度が+110%、2019年度が+82%と、まだまだ成長余地は大きいと思いますね。今後も高成長を維持してくれるでしょう。

 

参考に四半期ごとの売上高の推移です。現在のところ成長ペースに陰りはまだ見えませんね。

 

サービス基盤はAWS/オラクルも大口顧客、など 

AWSを積極的に活用

Slackのサービスを支える基盤にはAmazon Web Services(AWS)を活用しているようです。

AWSにとってもSlackは重要顧客のようで、AWSのケーススタディでもSlackが紹介されてました。Slackは2009年からAWSユーザのようですね。

aws.amazon.com

 

大企業もSlackを活用中

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SlackのS-1では顧客のケーススタディもいくつか紹介されてました。その一つが上のオラクルです。

オラクルは2017年1月からSlackユーザとなり、DAUsのピークは7万ユーザを超えるようです。オラクルの従業員数が14万人弱なので、日々その半数がSlackを活用しているんですね。

また日々の平均メッセージ送信が165万メッセージ以上、ファイルアップロードが18,000以上と、非常に活発にSlackを使って仕事をしているようです。

 

広範なパートナーシップを構築

Slackは多くの企業とパートナーシップを築いており、例えばAtlassian、Google、Okta、Oracle、Salesforce、SAP、ServiceNow、Workday、Zoomといった名前が挙がっていました。

特にAtlassianは元々競合製品のHipchatを持っていましたが、昨年8月にSlackがHipchatを買収し、両社のパートナーシップは強化されてましたね。

www.itmedia.co.jp

 

競合相手はMicrosoft、Google、Facebookなど

S-1の中で主要なの競合相手はMicrosoftと名指ししてました。

Our primary competitor is currently Microsoft Corporation. 

先程のHipchat買収もMicrosoftのOffice製品であるTeamsへの対抗と言われており、直接競合する最大のライバルはMicrosoftと言えそうですね。

 

その他にも競合が多く、カテゴリ別には下記の企業が相手となりそうです。

  • 生産性ツール、メール:Google(Gmail)など
  • 統合コミュニケーション:Cisco Systems(WebEx)など
  • ビジネス市場に参入し始めたコンシューマアプリ:Facebookなど
  • その他、同等機能を提供する小規模ベンダ 

MicrosoftやGoogle、Facebookと競うとなると、かなり厳しい戦いが予想されますね。ただ現状ではチャットをベースとしたコミュニケーションツールではSlackが頭一つ抜きん出ている印象ですので、今すぐに他社が追いつき追い越すことは無いのではと期待してます。

 

まずはIPOをしっかり果たすのを待ちたいですね。個人的にもSlackには期待してますので、ぜひ投資機会を伺いたいと思います。

 

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