タバコ会社のフィリップ・モリスが喫煙者向けの生命保険を英国で始めました。タバコ会社の将来に向けた動きですかね。
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フィリップ・モリス、生命保険会社「Reviti」を設立
フィリップ・モリスが英国で生命保険会社「Reviti」を設立しました。フィリップ・モリスの完全子会社のようですね。
Revitiはまずは喫煙者向けの生命保険を提供する予定です。禁煙や電子タバコへの切り替えなど健康に配慮した活動に対して次のようなプレミアムを用意しています。
- 電子タバコに切り替え:2.5%の保険料割引
- 科学的裏付けのあるスモークフリー製品(すなわちiQOS!)に3ヶ月間切り替え:25%の保険料割引
- 1年間禁煙:50%の保険料割引
フィリップ・モリスは既に紙巻タバコ事業からの将来の撤退を公表してますので、iQOSに移行する喫煙者を増やしたい狙いもあるのでしょう。
まずは英国で保険会社を始めますが、うまくいけば他の国にも展開するかもしれませんね。
フィリップ・モリスの2019年第1四半期決算
- EPS:1.09ドル(予想:0.97ドル)
- 売上高: 67.5億ドル(予想:67.5億ドル)
- ガイダンス:2019年 EPS 5.09ドル(予想:5.13ドル)
フィリップ・モリスの2019年第1四半期決算はEPSが予想を上回るものの他はイマイチでしたね。
売上高はコンセンサス予想とほぼ一致で、ガイダンスの2019年のEPS見込みは予想を下回りました。
前年同期の2018年Q1の売上高が約69億ドルでしたので、今回は-2.1%の減収となりました。
一方で、2019年Q1の営業利益は約25億ドルとなり、前年同期の24.3億ドルから+3.2%の増益でした。
たばこ出荷数は全体では増加に
フィリップ・モリスのたばこ出荷数(百万個)の比較です。
紙巻たばこの方は前年同期とほぼ同じでしたね。
一方、iQOSなど加熱式たばこは+20%の出荷数増加となりました。加熱式たばこのユーザは着実に増えているのでしょう。
日本・韓国の加熱式たばこ出荷数は減少するも、他の地域は増加
好調な加熱式たばこの地域別出荷数の推移です。
最もボリュームが大きい地域は東アジア&オーストラリアですが、加熱式たばこを販売しているのは日本と韓国のみですので、実質この2カ国での出荷数となります。
前年同期と比較してこの地域は出荷数が-6.7%の減少でした。日本は-8.4%、韓国は-0.3%で、日本でのiQOS販売数の減少が主な要因のようですね。
その他の地域はまだボリュームは小さいものの加熱式たばこの出荷数は急増しており、EU、東ヨーロッパ、ラテンアメリカ&カナダの3地域では出荷数が倍増以上に伸びていました。
国別に見ると日本の市場に比べて他国はまだまだ規模が小さいですので、成長余地は十分にあると思われます。
ただ、たばこに関する規制の動きは最近増えているように感じますので、電子タバコといえどすんなり普及するかは未知数ですね。
先日も米国のドラッグチェーンWallgreesがタバコの販売年齢を21歳に引き上げると発表しました。こうした動きは今後米国以外でもあるでしょうね。
潤沢なキャッシュフローと高配当が魅力のタバコ株ですが、こうした規制や嫌煙の動向には引き続き注意が必要ですね。
フィリップ・モリスもスモークフリー社会の実現に向けて新しいタバコの開発や今回のような生命保険の開始など、従来の紙巻たばこがメインのタバコ会社から脱却を進めており、今後の展開が興味深いです。
スモークフリー社会が実現できたとき、今までのようなキャッシュフローを維持できているか、その過程に注目しておきましょう。