ストリーミング・デバイスを提供するRokuが2018年第2四半期決算を発表しました。非常に好調な決算で株価は爆上げしていました。
Rokuの概要
Rokuは下記のようなストリーミング・デバイスを製造・販売しています。このデバイスをインターネットに繋いで手持ちのTVに接続すれば、NetflixやAmazon Prime Videoなどのストリーミングサービスが視聴可能になります。
Rokuは非常に安価な価格と使いやすさでとても人気のあるデバイスです。例えば上のRoku Expressはわずか29.88ドルという安さです。
Rokuを利用するためのコストはこのデバイス費の他には自分の視聴したいストリーミングサービスのサブスクリプション費のみです。非常に明朗会計ですね。YouTube等のフリーコンテンツももちろん視聴できます。
またRokuは家電メーカーに対してストリーミング機能やGUIなどのソフトウェア(Roku OS)を提供しています。メーカーはRoku OSを搭載したスマートTVを製造・販売できる訳ですね。上はシャープ製のRoku搭載TVです。
米国ではケーブルテレビからインターネットのストリーミング・サービスへ視聴者が急速に移っていますが、ストリーミング・サービスが今後どんどん増えてたとしてもRokuを一つ持っていれば見たいサービスを簡単に追加できます。ストリーミングが流行るほどRokuの強さが際立ちますね。
Roku(ROKU)の2018年第2四半期決算
- EPS:0.00ドル(予想:-0.15ドル)
- 売上高:1.57億ドル(予想:1.42億ドル)
- ガイダンス:Q3売上高 1.64〜1.72億ドル(予想:1.665億ドル)
- ガイダンス :2018年通期売上高 7.1〜7.3億ドル(予想:6.983億ドル)
Rokuの2018年第2四半期決算はEPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回る好決算でした。
この好決算を受けてRokuの株価は+20%以上も高騰しました。
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
売上高は前年同期比で+57%の成長でした。
粗利益は前年同期比で+107%と倍増しました。粗利益率も49.6%に伸びました。
利益については黒字化が見えてきましたね。
売上高の内訳(単位:百万ドル)
Rokuの売上は大きく2つのセグメントに分かれます。1つはRokuデバイスの売上である「プレイヤー売上高」で、もう一つが動画広告やコンテンツパブリッシャー向けのサービスによる「プラットフォーム売上高」です。
それら売上高を見ると、Rokuはプラットフォーム売上高の方が大きく、かつ成長率も高いことが分かります。当初はデバイス販売がメインでしたが、今はコンテンツ配信のプラットフォームとなることが重要になってきてますね。
売上高の推移
実際にプライヤー売上高とプラットフォーム売上高を比べると、2017年Q4まではプレイヤー売上高の方が大きかったですが、2018年Q1からはプラットフォーム売上高の方が上回りました。
アクティブ・アカウント数(百万)、ストリーミング時間(億時間)
アカウント数とストリーミング時間も順調に成長しています。
アカウント数は2,200万アカウントにまで成長しました。前年同期比で+46%の増加です。
ストリーミング時間も前年同期比で+57%の55億時間になりました。
平均ユーザー売上高(ARPU:Average Revenue Per User)
1ユーザあたりの平均売上高であるARPUも順調ですね。
2018年Q2は16.60ドルとなり、前年同期比で+48%の増加でした。
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Rokuはストリーミング・デバイスで人気No.1の座をキープできるか
Roku意外にもストリーミング・デバイスを提供する企業は多いですね。AmazonはFire TVを提供していますし、GoogleはChromecast、AppleはApple TVを持っています。
現在、それら強力なライバルをおさえてRokuがストリーミング・デバイスで最も支持を集めています。下記は米国でストリーミング・デバイスの保有者がどのデバイスを利用しているかの調査結果です。
Rokuは2年前は33%でしたが現在は37%のシェアを獲得しています。4割が目前ですね。
現在の第2位はAmazonの28%です。2年前はシェアは4位でしたがそこから急速にユーザを獲得していますね。
GoogleとAppleはともにシェアを減らしています。特にGoogleは2年前はシェア2位でしたが今は4位に転落しました。Amazonと立場が入れ替わってしまいましたね。
Rokuはストリーミング・デバイスのシェアNo.1ですがちょっとシェアの伸びが止まって見えるのが気になりますね。
対してAmazonは毎年着実にシェアを伸ばしており、最新の調査では既にシェア34%以上になっているそうです。Rokuのシェアにかなり接近しているみたいですね。
Rokuはデバイスのシェア獲得に奮闘しつつ、好調なプラットフォーム事業を伸ばしていけるかがビジネスのポイントになりそうです。将来にストリーミング・プラットフォームのトップになれるか、今後が楽しみな企業ですね。