連続増配企業を見ていきます。
今回はドーバー・コーポレーションです。
ドーバー・コーポレーション(DOV)
Doverは、年間当たりの売り上げが70億ドルを超えるグローバルな総合メーカーです。弊社は、革新的な設備及びコンポーネント、専門システム、及びサポートサービスを次のような主要な4事業セグメントを通じて提供しています: エネルギー、エンジニアリング・システム、流体、及び冷却及び食品用設備。Doverは、グローバルな規模と経営面での敏捷性を組み合わせて対象としている市場をリードしています。過去60年間にわたる弊社の起業家的なアプローチは広く認識されており、29,000名の従業員から構成されるチームは、あたかも所有者であるかのような考え方を身に着け、顧客と協力して如何なものでも可能にします。イリノイ州ダウナーズ・グレーブに本社を置くDoverは、「DOV」という銘柄でニューヨーク証券取引所に上場されています。
ドーバーはB2Bカンパニーゆえにその業界人でなければ馴染みがないかもしれません。ドーバーに限ったことではありませんが。
上記にあるとおり、ドーバーの主要事業はエネルギー、エンジニアリング・システム、流体、及び冷却&食品用設備の4つに集中しているようです。実は身近なコンビニのドリンクコーナーにドーバーの冷却設備が入っていたりするんでしょうか。
Dover markets | Dover Corporation
2016年の地域別売上比率です。北米だけで約6割近くの売上で、欧米だと4分の3の売上比率でした。アジアは10%です。日本はさらに比率が低いだろうことを考えると、身近なコンビニには設備は入っていなさそうですね。
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ここ最近の配当状況を見てみます。良い感じに増配傾向を示しています。
ここ3年の経営状況です。営業CFは2016年に横ばいから減少に転じています。営業CFマージンは13%前後とやや物足りない印象です。
年 | 純利益 | 営業CF | 売上高 | 営業CFマージン |
2014 | $775 | $950 | $7,752 | 12.3% |
2015 | $869 | $949 | $6,956 | 13.6% |
2016 | $508 | $861 | $6,794 | 12.7% |
(単位:百万ドル)
一見、動きの少なそうな事業形態ですが、ドーバー自身はM&Aに積極的な方針のようで、ここ3年間で29億ドルを費やして17の企業を買収してきたそうです。この姿勢も最初の会社説明にあった「過去60年間にわたる弊社の起業家的なアプローチ」の一環なのでしょうか。
Dover is a highly acquisitive company, having spent around $2.9 billion on 17 acquisitions in just the past three years.
3 Top Industrial Machinery Stocks to Buy in 2017 -- The Motley Fool
ファイナンスのサマリです。株価は過去5年間の推移です。やはり業績が低迷した2016年頃に株価の谷ができていますね。しかしそこから株価は上昇傾向を示しており、業績回復の兆しが出てきているようです。現在の配当利回りは2.19%になっています。
ドーバー・コーポレーションは数少ない連続増配を60年以上続けている企業の一つです。4事業に集中するという明確な企業戦略のもと、老舗企業とは思えないようなアグレッシブな企業買収を続けるなど、事業環境の変化にも俊敏・柔軟に対応する姿勢は好感が持てます。今後どこまで増配を続けられるか、非常に興味深い企業です。