フィリップ・モリス(PM)が2018年第1四半期の決算を発表しましたが、その後に株価が大暴落してしまいました。。
フィリップ・モリスの2018年第1四半期決算
Philip Morris beats by $0.10, misses on revenue
- EPS:1.00ドル(予想を0.10ドル上回る)
- 売上高:68.9億ドル(予想を1億ドル下回る)
- ガイダンス:2018年通期のEPS 5.25〜5.40ドル
フィリップ・モリスの2018年Q1(1〜3月期)決算は、EPSはコンセンサス予想を上回るものの売上高は予想に届きませんでした。
売上高が不調な要因は紙巻きたばこの出荷量が大きく減少したことのようです。世界的にもタバコ離れが増えていますしね。
この決算発表を受けて、フィリップ・モリスの株価はマイナス16%近くも下げてしまいました。。
チャートで見るフィリップ・モリスの四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
フィリップ・モリスの2018年Q1決算は、売上高は+13.7%の増収で68.9億ドルでした。
売上総利益(Gross Profit)は+10.1%で42.8億ドルでしたが、売上総利益率(Gross Profit Margin)は-2.0%と僅かに減少でした。
純利益も-2.1%と僅かに減益で15.5億ドルでした。
タバコ出荷量の比較(単位:百万個)
マルボロなどの紙巻きたばこと、加熱式タバコ(iQOS)の出荷量の比較です。
加熱式タバコが+116%と倍以上の出荷量増加となりましたが、主力の紙巻きたばこは-5%の減少となり、総数でも-2.3%の出荷数減少でした。
iQOSの伸びは大きいのですが、それを上回るペースで紙巻きたばこの出荷が減っていますね。
タバコ出荷量の推移(単位:百万個)
四半期ごとの紙巻きたばこ及び加熱式タバコの総出荷量の推移です。
2016年はまだiQOSの出荷量は微々たるものでしたが、2017年はハイペースで出荷量が増えていました。
2017年は紙巻きたばこの出荷減少をiQOSが穴埋めできてますね。
しかし今回の2018年Q1で、iQOSの出荷量の成長に鈍化が見えてきました。合わせて紙巻きたばこもガクッと出荷量が減ってます。
2016年も2017年もQ1は出荷数が下がる傾向にありましたので、今回の2018年Q1も同様なのかもしれませんが、次のQ2決算を待ってみないとなんとも言えませんね。
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日本でのiQOS需要が頭打ちに?
フィリップ・モリスによれば、日本で順調に売上を伸ばしていたiQOSですが、50歳以上のより保守的な層への販売に苦戦しているようです。
日本では50歳以上の喫煙者は全体の40%を占めるようで、日本でiQOSのさらなる成長を進めるためにはこの層へのアプローチが課題となります。
日本での加熱式タバコの出荷量
実際に日本での加熱式タバコの出荷量を見ると、2017年第4四半期がピークで今回の決算はかなり大きく出荷量を下げてますね。およそ半減したようです。
ここからさらに加熱式タバコの売上を伸ばすには、やはり50歳以上の層にiQOSを広めていく必要がありそうです。
世界全体で見ればまだiQOSを展開していない国は多いですし、タバコ消費量世界一の中国と第3位の米国もまだiQOSは販売されていません。
今後、日本での販売実績を参考に、iQOSのマーケットを拡大できればタバコ出荷量の改善が期待できるのではと思います。
フィリップ・モリスは私の投資銘柄の一つですので、今回の暴落は非常に気になっていますが、買い増すとしたら株価が下げ止まって反発の兆しが見えたらでしょうね。
フィリップ・モリスにとっては2018年は試練の年になるかもしれませんし、次の四半期決算での数字に期待しておきたいです。
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