NVIDIAがFY2020 Q2決算を発表しました。ずっと不調が続いていましたが、業績回復の兆しも見え始めたようです。
<スポンサーリンク>
NVIDIAのFY2020 第2四半期決算
- EPS:$1.24(予想:$1.15)
- 売上高:$2.58B(予想:$2.55B)
- ガイダンス:Q3 $2.90B ±2%(予想:$2.98B)
- ガイダンス:Q3 グロスマージン 62〜62.5%
NVIDIAのFY2020 第2四半期決算は、EPSと売上高がコンセンサス予想を上回りました。 売上高は25.8億ドルで、前年同期比で-17.4%の減収でした。
一方でガイダンスは売上高が29億ドル ±2%とのことでしたので、レンジ的には28.42〜29.58億ドルを見込んでいます。コンセンサス予想が29.8億ドルですので、残念ながらガイダンスは予想を下回りました。
Non-GAAPの純利益は7.62億ドルで、前年同期は12.1億ドルでしたので-37%の減益でした。ただ前期Q1の売上高5.43億ドルからは+40%の増益でした。
NVIDIAの株価推移
NVIDIAの1年間の株価推移です。昨年の11月に50日移動平均線と200日移動平均線の上下が入れ替わり、そこからずっとダウントレンドを描いてきました。
現在、その両線が再び交差して50日移動平均線が上に抜けようとしてます。今後の展開によっては上向きのトレンドに入るかもしれませんね。
マーケット別の売上高
マーケット別の売上高比較です。
売上高が最も大きいゲーミング部門は13.13億ドルで、前年同期比で-27%でした。ノートPC用GPUや任天堂Switch向けの販売が伸びましたが、デスクトップ用GPUはまだ流通在庫を消化中のようで全体の売上高は伸び悩みました。
次に大きいデータセンター部門は6.55億ドルで、こちらは-14%でした。ただ、AIの学習用途の需要が伸びてきているとのことで、今後の回復に期待が持てそうです。
自動車部門は伸び率が最も大きく、+30%の2.09億ドルでした。主に自動運転車向けだと思います。少しずつ自動運転車への適用が増えてきているんですかね。
四半期売上高のトレンド
四半期ごとの売上高のトレンドです。
ゲーミング部門ははっきりと上り調子が見えてきましたね。ちょうど前年同期がピークで、そこからFY19 Q4にガクッと売上高が下がっていましたが、最近の決算では回復の兆しが見えてきた印象です。
データセンター部門は減収の底が見えてきた感じでしょうか。ここから上昇トレンドを描けるかどうかに注目したいですね。
その他の部門はほぼ横ばいのままで、中でも自動車部門の伸びが強まってきているのがポイントですね。
グロスマージンも回復傾向
グロスマージンも徐々に回復してきました。
FY20 Q3はガイダンスが62〜62.5%でしたのでその中間値(62.25%)をプロットしています。
一時は50%台にまで下がっていましたが、今回の決算で60.1%となり、Q3も60%台前半の見込みということで、このまま伸びればかつての水準である63〜64%まで回復しそうですね。
NVIDIAの今回の決算は確かに減収減益でしたが、ゲーミング部門の伸びやデータセンター部門の減収ストップ、自動車部門の成長など、いくつか回復の兆しのような材料も出てきました。
一方で、暗号通貨のマイニング需要や人工知能ブームといった変動幅の大きなトレンドに非常に左右されやすい製品・サービスを扱っていることの危うさもここ最近の決算から分かってきたように思います。
良くも悪くもグロース企業ですので、今後もある種の賭けのような新領域・新市場に進出を続けていくでしょうから、まだまだ安定した収益性の企業にはならないでしょうね。そこが魅力とも言えますけどね。
今後の復調にも期待しつつウォッチしていこうと思います。