事故車両などの廃車をネットオークションで仲介するCopart(コパート)の紹介です。
Copart(コパート)の概要
【企業概要】
コパート(Copart, Inc)は米国、カナダ及び英国において、オンラインオークション及び車両リマーケティングサービスを提供する。
【事業内容】
同社は「VB2」と呼ばれるバーチャル・ビッディング・セカンド・ジェネレーション(Virtual Bidding Second Generation)インターネットオークション形式の販売技術を通して、車両販売者に、インターネットによる車両処理・販売等各種サービスを提供する。車両販売者は主に保険会社であり、銀行、金融機関、慈善団体、カーディーラー、フリートオペレーター及び車両レンタル会社も含まれる。同社はライセンスを取得した車両解体業者、再構築業者、修理ライセンシー、中古車ディーラーと輸出業者、および特定地域の一般公衆向けに車両を販売する。
〜楽天証券のCopartページより引用〜
コパートはネットオークション形式で車両販売と関連サービスを手がける企業です。車は主にサルベージされた車で、保険会社から買い取る事故車が多いみたいですね。記事冒頭の画像のように広大な敷地に大量の車両を保有しています。
その車を車両解体業者などにオークションを通じて販売しています。
取り扱う車の中には下記のようなクラシックカーもあるみたいですね。
コポートの収益のほとんどは、車売買にともなう各種手数料やサービス料から発生しています。具体的には車の査定サービス、車両検査サービス、車両牽引サービス、車両保管サービスなど多岐にわたります。
コパートはVB3(Virtual Bidding 3rd generation)という名前のオークションプラットフォームを自社開発しています。名前の通りかつてはVB1、VB2があったみたいですね。
https://www.copart.com/howVb3Works/
VB3によりスマホやタブレットからのオークション参加など車両の買い手に対する機能がより充実されました。
市場平均(S&P500)との株価比較
直近1年間での市場平均(S&P500)との株価成長率の比較です。赤がコパート、黒がS&P500です。
昨年末あたりから株価が大きく伸び始め、ここ1年で+84%と高成長してますね。
コパートの経営状況
基本に立ち返り下記3点でコパートの経営状況を見てみます。
良い会社の条件:
Market Hack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法
- 営業キャッシュフローが毎年着実に増えていること
- 純利益よりも営業キャッシュフローの方が大きいこと
- 営業キャッシュフロー・マージンが15〜35%であること
ここ5年の経営数値です。ドルの単位は百万ドルにしています。
まず営業CFは毎年着実に増えています。
また純利益よりも営業CFの方がしっかり多いです。
さらに営業CFマージンは19%から34%に伸びており、15〜35%のレンジに入っています。
先の「良い会社の条件」照らし合わせるとコパートは優良な会社と言えそうです。
売上高の内訳(単位:百万ドル)
コパートの売上高のうち、80%後半はサービス・レベニューが占めています。ネットオークションでの売買手数料や車両牽引・保管等のサービス料ですね。
またコパートが自社所有する車両の販売も手がけているようですが売上高の10%少々を占めるのみです。
コパートのメインビジネスは車両オークションのプラットフォーム事業と言えそうです。
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コパートの四半期決算
今年の2月に2018年第2四半期(11月〜1月期)決算を発表していましたのでそちらを確認してみます。
- EPS:0.47ドル(予想を0.07ドル上回る)
- 売上高:4.59億ドル(予想を3,055万ドル上回る)
2018年Q2はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回ったようですね。
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
売上高は+31%で4.59億ドルでした。営業利益、純利益もそれぞれ+39%、+56%と大きく伸びましたね。
営業利益率も2%ほど伸びました。全体的に好調さをキープしている印象です。
参入障壁の高さが魅力?
コパートのようなサルベージ・カーの売買仲介は、まだ乗れる車を扱う中古車販売とは色々と異なります。
コチラの記事によれば、コパートの優位性は地理的なスケールの大きさ、質の高いサービスとマネジメント、ネットワーク効果の3点にあるようです。
コパートは米国中心にサービス展開しています。現在、米国内では186ヶ所の拠点があり、米国内なら24時間以内に拠点間で車両を移動可能とのことで、米国のどの場所でも車両購入が可能です。
また創業から35年の実績により、車両の売り手(保険会社、カーディーラーなど)と買い手(車両解体業者、中古車会社、輸出業者など)の巨大なネットワークを構築しています。ネットワーク効果によりその数は今後もさらに増えていくでしょうね。
この大規模な拠点数と売買ネットワークは、仮に新規参入した企業がいたとしても容易には模倣できないですね。この参入障壁の高さはコパートの優位なポイントでしょう。
とはいえCarMax、AutoNation、Penske Automotiveといった強力な競合が存在していますので、Copartが今後も好調さを維持できるかに着目していきたいと思います。
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