アドビ・システムズがECサイト・プラットフォームのMagento Commerceを買収予定であることを発表しました。
アドビ・システムズ、Magento Commerceを買収
ニュースによれば、アドビはMagento Commerceを16億8000万ドル(約1800億円)で買収する計画とのことです。
Magento Commerceは受発注管理などの機能を持ったECサイト構築のためのパッケージを提供する企業です。パッケージにはオープンソース版もあり、世界中の開発者により日夜拡張されています。
今回の買収により、Magento CommreceのクラウドサービスはアドビのAdobe Experience Cloudに統合される予定です。
現在、Adobe Experience Cloudでは広告、データ分析、マーケティングが提供されており、そこにECサイト構築が加わることになりますね。サイト構築から運用までポートフォリオが揃うことになります。
ECへの進出はアドビの悲願だった
アドビは企業向けのクリエイティブツールや広告・マーケティングなど幅広いポートフォリオを持っていましたが、今回のECサイト構築ベンダーの買収は先のAdobe Experience Cloudに欠けているピースを埋めるための重要な買収なのでしょう。
上記記事によれば、元々アドビはECサイト構築サービスをクラウドで提供するDemandware(デマンドウェア)の買収を画策していたようですが、2016年にライバルでもあるSalesforceがデマンドウェアを買収してしまいます。
Salesforceの製品ポートフォリオには、Eコマースという大きな穴があった。同社による28億ドル規模のDemandware買収は、この穴を補完するものだ。今回の買収を受けて、マーケティングの競合企業であるAdobeも、ShopifyやMagentoなど、同様の企業の買収を強いられる可能性が高い。
図らずも上の記事引用の通りのことが起きましたね。SalesforceもECというピースが欲しかったようで、アドビに先駆けることに成功していました。
アドビの選択肢としてはShopifyの買収もあったようですが、最終的にはMagento買収に決めたんですね。グロース株としてShopifyには興味があるのでアドビに買われた未来も見てみたかったですね。
EC構築ベンダーの獲得という悲願を達成したアドビに今後も注目です。