アドビ・システムズが第3四半期の決算を発表しました。
アドビ・システムズ(ADBE)の2018年第3四半期決算
- EPS:1.73ドル(予想:1.69ドル)
- 売上高:22.9億ドル(予想:22.5億ドル)
- ガイダンス:Q4 EPS 1.87ドル(予想:1.86ドル)
- ガイダンス:Q4 売上高 24.2億ドル(予想:24.1億ドル)
アドビ・システムズの2018年第3四半期決算は、EPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回りました。
株価も+2.3%とポジティブな反応でした。
売上高の比較(単位:百万ドル)
売上高は+24%の成長で2.29億ドルでした。
粗利益は+26%の1.99億ドルで、粗利益率は+2.4%の87.1%になりました。
営業利益は+32%の伸びで、純利益は+57%の伸びでした。
EPSは1.10ドルから1.73ドルに成長しました。
カテゴリ別の売上高。サブスクリプション移行は順調。
カテゴリ別の売上高です。
主力のサブスクリプションは+29%の成長で20.2億ドルでした。実質的にアドビ・システムズの売上高の大部分を占めていますね。
プロダクトは-6%と減少しています。サブスクリプションへの移行によるものでしょう。
サブスクリプション型への移行は継続して上手くいっているようですね。
製品カテゴリ別の売上高。クラウドサービスが好調。
製品カテゴリ別の売上高です。
Creative Cloudを含むDigital Media部門は+27%の成長で16.1億ドルでした。
広告・マーケティング関連のクラウドサービスを含むDigital Experienceは+21%の成長で6.14億ドルでした。今年の6月に買収完了したECプラットフォームのMagentoもこのカテゴリに属します。
この2つのカテゴリはよく伸びてますね。
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デジタルマーケティングのMarketo買収の噂。Digital Experience部門強化が狙い?
アドビ・システムズがデジタルマーケティングのMarketoを買収するかも、とロイターが報道しました。まだ両社からのコメントはありません。
MarketoはWebページ上のユーザ行動トラッキングや属性分析、メールキャンペーン自動化など、いわゆるマーケティングオートメーションのサービスベンダとして高いシェアを獲得しています。
競合としてはHubSpot(HUBS)やオラクル、Salesforceなどがいますね。
一応アドビ・システムズもMarketing Cloudサービスを持っていますが、この分野ではそれほど強くないというのが正直なところでしょう。
先程も触れたECプラットフォームMagentoの買収により、アドビ・システムズとしてもこれらを含むDigital Experience部門強化を狙っているように感じますね。
MagentoによりECサイトの構築・管理をサポートし、ECサイトの顧客に対する分析やキャンペーンをMarketoで支援、キャンペーンに必要なコンテンツはAdobe Creative Cloudで作成、といった連携ができるのではと想像します。
カテゴリ別の売上高を見るとDigital Experienceにはさらに伸びてもらいたくなりますね。コンテンツ制作の分野ではトップに位置するアドビですが、ECビジネスの分野でも存在感を出していけるか、今後の躍進に期待したいと思います。
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