フィリップ・モリスが四半期決算と2017年決算を発表しました。今年の頭に紙巻きタバコ事業からの撤退を宣言したフィリップ・モリスですが、IQOSに代表される加熱式タバコへのシフトは着々と進んでいるようです。
フィリップ・モリス(PM)の四半期決算
- EPS:1.31ドル(予想を0.04ドル下回る)
- 売上高:82.9億ドル(予想を1.4億ドル上回る)
- ガイダンス:2018年EPS予想 5.20〜5.35ドル
フィリップ・モリスの四半期決算は、EPSはコンセンサス予想を下回りましたが売上高は予想を上回りました。ぼちぼちな結果ですね。
2018年通期でのEPSガイダンスは5.20〜5.35ドルで、2017年の3.88ドルから大きく伸びるとの予想です。
2016年と2017年の結果を比較
出荷量を比較
地域別の紙巻きタバコ出荷量(単位:百万個)
紙巻きタバコの出荷量は全地域で減少しました。健康志向ブームのためか、やはり全世界的に紙巻きタバコの利用者や利用頻度は減っているんですかね。
地域別の加熱式タバコ出荷量(単位:百万個)
IQOSを含む加熱式タバコの出荷量は反対に全地域で急増中です。特にアジア地域が目立っていますね。
実はアジア地域の出荷量の95%以上は日本で、残りは韓国でした。恐らくほとんどがIQOS出荷量と思います。全IQOS出荷量の殆どを日本が牽引している状況ですね。
他の地域でも高い成長率で出荷量が伸びていますので、2018年はここからさらに出荷量が増えるんではと期待しますね。
総出荷量の比較(単位:百万個)
紙巻きタバコと加熱式タバコの総出荷量の比較です。全体としては、出荷量は減少でした。
出荷量で見たときにはまだまだ紙巻きタバコが圧倒的なボリュームを持っていますね。加熱式タバコも目に見えて出荷量が増えていますので、IQOSへのシフトは着実に進行中と思います。
売上高を比較
地域別の紙巻きタバコ関連売上高(単位:百万ドル)
紙巻きタバコ関連の売上高比較です。ラテンアメリカ&カナダを除いた地域で売上高が減少していました。
地域別の加熱式タバコ関連売上高(単位:百万ドル)
加熱式タバコ関連(RRPs:Reduced-Risk Products)の地域別売上高です。出荷量がトップのアジアが当然ながら売上高でも圧倒的ですね。
総売上高の比較(単位:百万ドル)
総売上高では2017年は成長していますね。特に紙巻きタバコ関連の減少分を加熱式タバコ関連の製品が補っている点が注目です。
今後、さらにIQOSがフィリップ・モリスの売上成長を牽引するカギになるでしょうね。あとは4四半期連続で予想を下回っているEPSが改善されればさらに良いのですが。
フィリップ・モリスの株価は2017年に一時120ドル前後まで伸びましたが、その後は減少傾向ですね。それでも現在のPERは25程度と割安感はあまり無いですね。
フィリップ・モリスの紙巻きタバコの出荷量・売上高の減少は想定通りと思いますし、IQOSの成長力も彼らの予想を超える勢いだったようです。フィリップ・モリスの事業に対する不安は今のところは感じませんね。
2018年は紙巻きタバコからIQOSへのシフトが順調に推移するかどうかに注目したいと思います。
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