内容が楽しみな四半期決算が続きますね。今回はマスターカード(MA)、アリババ(BABA)、アルトリア・グループ(MO)などの四半期決算を取り上げます。
マスターカード(MA)
Mastercard beats by $0.02, beats on revenue - Mastercard, Inc. (NYSE:MA) | Seeking Alpha
-
EPS:1.14ドル(予想を0.02ドル上回る)
-
売上高:33億ドル(予想を4000万ドル上回る)
マスターカードの四半期決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。
売上高は前年同期比で+18%の伸びで、総決済額もワールドワイドで13%の成長でした。
カード発行枚数も5%の成長を見せました。全体的に好調な内容のようですね。
アリババ(BABA)
-
EPS:1.63ドル(予想を0.04ドル下回る)
-
売上高:127.6億ドル(予想を4億ドル上回る)
アリババは売上高がコンセンサス予想を上回るものの、EPSが予想に届かずでした。
一方で2018年の売上高成長見込みを55%〜56%に引き上げました。(前の見込みは49%〜53%)
四半期決算自体は、売上高が前年同期比で56%の成長、クラウドコンピューティングは104%の成長と、非常に好調に見えますね。クラウドの成長率だけ見ると、先日発表のマイクロソフトAzureの成長率(98%)を上回ります。
アルトリア・グループ(MO)
Altria beats by $0.11, misses on revenue - Altria Group, Inc. (NYSE:MO) | Seeking Alpha
-
EPS:0.91ドル(予想を0.11ドル上回る)
-
売上高:47.1億ドル(予想を9,000万ドル下回る)
- ガイダンス:2018年EPS 3.90-4.03ドル(予想:4.20ドル)
アルトリア・グループはEPSは予想を上回りましたが売上高・ガイダンスは予想に届きませんでした。マルボロなどの紙巻きタバコの出荷数を見ると、四半期の前年同期比で-8.9%、年間の比較でも-5.1%となっていました。やはり米国の紙巻きタバコ販売は下降気味ですね。
一方でスモークレス・タバコの売上は好調だったようで、四半期では前年同期比10.4%の伸び、年間では5.1%の伸びでした。スモークフリーなタバコへの需要が増していますね。
売上高全体としては、紙巻きタバコ等のSmokable Productsが-3.2%の52.81億ドルとなり、トータルで-2.4%の61.01億ドルとなりました。紙巻きタバコへの逆風に立ち向かうために、早期にIQOSの米国販売が認可されると良いのですが。
なお、アルトリア・グループはCEOのMarty Barrington 氏が今年の5月に引退することと、新たに10億ドルの自社株買いプランを発表しております。
バレロ・エナジー(VLO)
-
EPS:1.16ドル(予想を0.08ドル上回る)
-
売上高:264億ドル(予想を46.6億ドル上回る)
石油業界の下流部門に特化したバレロ・エナジーはEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回る内容でした。株主としては一安心です。
と思ったら株価は下落してしまいました。好材料が出尽くしたのか、原油価格等の外部要因なのか、石油業界は先を読むのが難しいですね。
コノコ・フィリップス(COP)
ConocoPhillips EPS in-line, beats on revenue - ConocoPhillips (NYSE:COP) | Seeking Alpha
- EPS:0.45ドル(予想と一致)
- 売上高:87.4億ドル(予想を11.5億ドル上回る)
スーパーメジャーの一角であるコノコ・フィリップスはEPSは予想と一致ですが売上高が大きく予想を上回りました。
ここ最近は不調が続くエネルギー業界ですが、エクソン・モービルやシェブロンといった他のメジャー企業も売上高が伸びているのか、気になるところです。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
-
EPS:1.67ドル(予想を0.01ドル上回る)
-
売上高:188.3億ドル(予想を6.4億ドル上回る)
貨物運送会社のユナイテッド・パーセル・サービス(UPSの方が馴染みがありますね)は、EPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。
この四半期でUPSは15億個もの荷物(前年同期比で+5.7%)を配送したそうです。想像の付かない数ですね。
一方で、米国での配送についてはホリデー・シーズンの配送量がキャパシティを超えた結果、追加コストが1.25億ドル発生して利益に影響を与えたとのことです。日本の配送会社と似たような状況に陥っているようですね。
それを受けてか、UPSは株価が下落しております。何かしらの対策を講じないと、再び同じ問題が起きそうです。
UPSは65億〜70億ドルの予算で、飛行機や新技術開発などに投資することを発表しています。