コカ・コーラが四半期決算を発表しました。コカ・コーラは製造施設を各地のボトラー社に譲渡するリフランチャイズを進めている最中で、事業改革がどう進んでいるかが気になります。
コカ・コーラ(KO)の四半期決算
Coca-Cola EPS in-line, beats on revenue - The Coca-Cola Company (NYSE:KO) | Seeking Alpha
- EPS:0.39ドル(予想と一致)
- 売上高:75億ドル(予想を1.4億ドル上回る)
- ガイダンス:2018年通期EPS 2.06〜2.10ドル(予想:1.99ドル)
コカ・コーラの第4四半期決算は、EPSは予想と同じでしたが、売上高とガイダンスはコンセンサス予想を上回りました。
EPSがもう一息でしたがその他は予想を上回る好調な内容でしたね。
チャートで見る決算内容
四半期売上高の比較(単位:百万ドル)
コカ・コーラ全体の売上高では2017年Q4売上高は前年同期比で約20%ほどの減少でした。ただこれはコカ・コーラが推進しているリフランチャイズによるもので想定済みの減少です。
現在、コカ・コーラ ノースアメリカが保有する製造施設を各地のボトラー社に譲渡する動き(リフランチャイズ)が進んでおり、17年末までに完了する見通しです。ボトラー各社は、コカ・コーラ システムの最新のIT環境と顧客管理システム、流通ネットワークを活用して経営の合理化を図る一方、地域に密着した企業の強みを生かして、さらなる「コカ・コーラ」ブランドの強化に取り組んでいくことになります。
リフランチャイズの影響を除く本業の売上高であるオーガニック売上高では、2017年Q4は前年同期比で6.3%の成長を見せました。
2017年の年間売上比較(単位:百万ドル)
年間の売上高比較でも同様に、全体の売上高は減少ですが、オーガニック売上高は増加しています。年間では2.4%ほどの成長でした。
コカ・コーラとしてはリフランチャイズによる事業改革が上手く進展しているようです。
地域別の売上高
四半期売上高(単位:百万ドル)
地域別の売上高を四半期決算で比較したチャートです。全体的に売上高は増加ですが、唯一アジア太平洋地域が若干の減少を見せていました。
年間売上高(単位:百万ドル)
こちらは年間売上高の比較です。やはりアジア太平洋地域が減少しており、その他は増収となっていました。
地域別の割合で見ると北米で約4割を占めており、ラテンアメリカと合わせて南北アメリカで54%程度の割合となっています。売上の大きな地域で増収となっているのは良い点と思いますね。アジア太平洋地域の不振は主に中国事業の影響に依るもののようです。
コカ・コーラも新たな炭酸飲料バトルに参戦
先日のペプシコの決算記事で、今月にペプシコが新たな炭酸飲料「Bubly」をリリースするとお伝えしました。
対するコカ・コーラは今年の1月にダイエット・コークに4つの新フレーバーを追加すると発表しました。
パッケージが一新された新たなダイエット・コークですが、明らかに昨今の健康志向トレンドを意識してのリリースだと思いますね。
最近の炭酸飲料のトレンドとして、ゼロ・カロリー、ゼロ・シュガー、人工甘味料や人工香料・人工添加物ではない自然の材料といった、とにかく体に良い点をアピールする製品が人気を集めているようです。さらに若者受けするパッケージも大事な点です。
ペプシコの新製品「Bubly」も、この種の炭酸飲料のマーケットリーダーであるLaCroix(ラクロワ)も、健康志向の成分とオシャレなデザインが特徴ですね。
従来のコーラに代わる新たな炭酸飲料バトルで、新興企業に対するコカ・コーラとペプシコの戦略がどこまで通用するかが楽しみです。