ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、アップルのApple Muisc有料会員数は高い成長率で伸びており、米国の有料会員数については今年の夏には音楽配信サービスのSpotifyを追い抜く勢いとのことです。
Apple Music、米国でSpotifyを追い抜く?
元記事のウォール・ストリート・ジャーナルによれば、米国内のApple Musicの有料会員は毎月5%ずつ増えており、対するSpotifyは毎月2%のペースとのことです。このペースでいくと今年の夏には米国でのApple Music会員数がSpotifyを超え、米国で最大の音楽配信サービスなるだろう、というのが記事の趣旨です。
Apple Musicの会員数増加には、ついにリリースされるHomePodも一役買うみたいですね。HomePodはアップルによれば他のスマートスピーカーよりも音質にこだわりがあるようで、ワイヤレススピーカーとしての実力は高そうです。ぜひお店で視聴してみたいですね。
Spotifyの勢いは想像がつきますが、Apple Musicがいつの間にそれほどの成長を見せていたのか気になったのでちょっと調べてみました。SpotifyとApple Musicの有料会員数は今現在わかっている範囲で下記のようです。
Spotify
Hello 70 million subscribers 👏
— Spotify (@Spotify) 2018年1月4日
Spotifyは今年の1月5日にグローバルの有料会員数が7,000万人に達したとツイートしました。ちなみに無料会員を含むアクティブユーザー数は、現在1億4,000万人とのことです。
そのうち米国ユーザー数が何人かは公開されていないため分かりません。ひとまずグローバルの有料会員数で見てみましょう。
Spotify有料会員数の推移
Spotifyの有料会員数の推移をグラフ(単位:万人)にしてみました。非常に順調に有料会員数を伸ばしていることが分かりますね。
また当初1,000万人から2,000万人に成長するのに約1年を要していましたが、1,000万ユーザーを獲得する期間が徐々に短くなっており、ここ最近ではおよそ150〜160日ほどで1,000万人増加していました。成長力も確実に上がっているように思います。
Apple Music
記事によれば、今のApple Musicの有料会員数は全体で3,600万人に達しているとのことです。こちらも米国内ユーザー数の内訳は不明です。
全体の有料会員数ではSpotifyの7,000万人にまだまだ及びませんね。
Apple Music有料会員数の推移
Apple Musicも調べられる範囲で有料会員数の推移をプロットしてみました。最新の3,600万人の会員数がいつ時点のものか分からなかったので、ひとまずSpotifyと同じく今年の頭にセットしてプロットしてます。
Spotify同様、Apple Musicもほぼ一直線に会員数を伸ばしていますね。会員数の伸びについては、1,100万人から2,000万人、また2,000万人から3,000万人の成長にどちらも約300日を要していました。
一方で直近の3,000万人から3,600万人へは約100日で成長しており、単純計算で1日あたり6万人の有料会員が増えていると見ると、1,000万人の増加は約166日で達成できそうです。この成長力はSpotifyとほぼ同等にまでなっていますね。
SpotifyとApple Musicの1日あたり獲得会員数
有料会員数が分かっている期間で、増加した会員数を期間の日数で割って仮の1日あたり獲得会員数をプロットしました(単位:万人/日)。データが少なく、また正確な数値や日時ではないので、雰囲気が分かればいいかなと思います。
SpotifyもApple Musicも、サービス開始当初は3万人/日のペースで有料会員を獲得していましたが、Spotifyはいち早くそのペースを倍に伸ばし、6万人/日を超えるペースで有料会員を伸ばしていました。
Apple Musicはしばらく3万人台の壁を超えられなかったようですが、最も直近のデータではSpotifyに迫る6万人/日のペースで有料会員を獲得してますね。あくまで公開情報を元にするとそういう風に見えるということですが、Apple Musicが米国でSpotifyを追い抜くというのもあながち噂で終わらないかもしれません。
<スポンサーリンク>
やはりアップルで鍵をにぎるのは音楽サービス?
先日のアップル四半期決算の記事でも触れましたが、今のアップルのプロダクトで最も成長力のあるのがサービスや「その他」製品(Apple Watchなど)です。
もちろん売上高ではiPhoneの独壇場ですが、HomePodリリースを機に特に音楽サービス関連での成長を個人的には期待したいですね。
そこで気になるのは昨年に買収したShazamですね。
ShazamはBGMやCM・テレビなどで流れる音楽を聴かせると曲名を教えてくれるアプリで、すでにSiriに機能が組み込まれています。今後はさらなるApple MusicやiOSとの連携も期待されてますし、HomePodとの親和性も良さそうですね。なにか新しい音楽体験を生み出してくれるのではと興味津々です。
かつてiTunes + iPodを世に出した頃からアップルは音楽に寄り添いながら新製品やサービスをリリースしてきたように思います。Apple Musicの躍進とHomePodのリリース、関連企業の買収など、アップルの音楽ビジネスがまた賑やかになってきたようで今年は何を見せてくれるのか今から楽しみです。
サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方
- 作者: アン・H・ジャンザー
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2017/11/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る