主要国の経済発展を考える上で各国の人口増加率に興味がありまして、国連発表の統計データを見ていました。昨今オーストラリアの成長をよく聞きますが、数字を見ると確かに今後の成長が期待できます。
国連の統計データを入手
World Population Prospects - Population Division - United Nations
上記の国連サイトで人口増加の予測データをダウンロードできます。今回使用したファイルは「Total Population - Both Sexes」というエクセルファイルです。
その中の中位推計値(MEDIUM VARIANTというシート)を使用しています。
主要国のデータを見てみる
ひとまずG20(G20 - Wikipedia)に含まれる国(EU除く)について、2015〜2050年の人口を並べてみました。
対象国
- アメリカ
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- 日本
- イタリア
- カナダ
- ロシア
- 中国
- インド
- ブラジル
- メキシコ
- 南アフリカ
- オーストラリア
- 韓国
- インドネシア
- サウジアラビア
- トルコ
- アルゼンチン
各国の総人口の予想推移
見づらくて申し訳ありませんが、大きく目立つのは中国とインドの人口ですね。特にインドは2025年あたりで中国を抜いて人口世界一になると予想されています。
その他の国はこのグラフからは傾向が見づらいので、各年の人口増加率を算出してグラフにしました。
各国の人口の年間増加率の推移
全体の傾向としては緩やかに右肩下がりに見えます。
その中で、2035年あたりから2050年まで水色の線が集団から頭一つ抜け出ていますが、これはオーストラリアの予想値になります。
もう少し見やすく比較するため、G7とオーストラリアのみで同じ値をプロットしたものが下記グラフになります。
グラフのピングと○で構成された直線がオーストラリアです。一貫してG7各国を超える人口成長率をキープすると予想されていますね。
ちょっと下がってカナダ、アメリカ、イギリス、フランスが並んでいます。ここまでが人口成長率がプラスの国々です。
将来的に人口成長率がマイナスになると予想される国は、ドイツ、イタリア、日本となっています。日本はさらに高齢化も進展しますから、なおさら何らかの手を打たなければと危機感が募りました。
<スポンサーリンク>
成長が期待されるオーストラリアへ投資するには
私は日本のネット証券を使っていますので、そこを使ってオーストラリアへ投資する方法を考えると、大きくは投資信託、ETF、個別銘柄の3パターンがあると思います。
投資信託
私は現在、楽天証券とSBI証券を利用中なため、そこで取り扱っているオーストラリア関連の投資信託を検索しました。
例えばオーストラリア株式市場の代表的な指数であるS&P/ASX200指数に連動する投資信託ではブラックロックの「i-mizuhoオーストラリア株式インデックス」がありました。買付手数料は無しで、信託報酬を含む管理費用は0.6156%とのことです。
ETF
オーストラリアのみに投資するETFは楽天証券・SBI証券ではまだ取り扱っていないようですが、代わりにブラックロックの「iシェアーズ MSCI パシフィック(除く日本)ETF(EPP)」がありました。経費率は0.49%とのことです。
国別の保有割合を見ますとオーストラリアが約6割です。投信ではなくEPPを選ぶとオーストラリア+αの分散投資ができますね。どちらを選ぶべきかは投資方針次第でしょう。
個別銘柄
手っ取り早くオーストラリアの個別銘柄を購入する方法は米国市場に上場しているADRを購入する方法だと思います。楽天証券(楽)・SBI証券(S)では下記ADRを取り扱っていました。
※Rio TintoはイギリスADRですがオーストラリアの事業も含むということで載せています
資源国のオーストラリアらしく、ADRの殆どが資源関連会社で、唯一Westpac Bankingのみ銀行ですね。各社の詳しい情報はこれから見てみようと思いますが、事業や経営の状況によっては有力な投資先に考えたいところです。
最後に:それでも米国への投資は魅力的
参考までにG20について2100年まで毎年の年間人口成長率をプロットしたグラフです。2100年での年間人口成長率のトップはオーストラリア(0.28%)ですが、ほぼ同値で2位、3位となるのがカナダ(0.17%)と米国(0.16%)でした。
G20の2100年までの毎年の人口成長率を計算したところ、その間で一度もマイナスの成長率を示さなかった国は下記5カ国だけでした。
- 米国
- カナダ
- フランス
- イギリス
- オーストラリア
人口成長が見込める数少ない国の一つである米国への投資はやはり長期に見ても魅力的と思います。今後も主力の投資先は米国にしようと感じました。