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Appleの行く末に暗雲?Appleの考える「働き方改革」は上手くいかないかもしれない

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現在Appleが進めている新社屋「Apple Park」はある意味Appleの考える働き方改革の一環に思います。ただこの改革が必ずしも良い効果だけをもたらすとは限らないようです。

現在建築中のApple Parkについて

iphone-mania.jp

Apple Parkの設計思想としては、オープンなオフィスを基本とすることで社員同士の自由な交流を促進し、新しいアイデアが生まれる環境を作ることのようです。実にAppleらしいオフィスが出来上がりそうですね。

総工費は50億ドルとも言われており、世界でも最も高額なオフィスの一つになるのではないでしょうか。

 

 

Apple Parkへの移転を嫌がる社員は少なくない様子

www.inc.com

そんなオープンな思想で建設中のApple Parkですが、当の従業員の中にはApple Parkへの移転を快く思わない人たちが少なくないようです。

 

個人用のキュービクルや閉じられたオフィスの代わりに、オープンな長机に並んで仕事をする環境に変わるそうですが、それならApple Parkの外に自分のスペースを持ちたいと主張する従業員もいるようで、新社屋は完全に歓迎ムードという訳ではなさそうです。

 

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オープンオフィスの弊害

Appleの狙いとしては、オープンな環境で社員交流が活発になって欲しいのでしょうが、一方でオープンオフィスについては昔からその弊害が指摘されていました。

gigazine.net

オープンオフィスがうまく行かない最も大きな原因が、「集中力の阻害」です。

(中略)

また、人々の集中力を阻害する最大の邪魔者は騒音です。完全オープンオフィス環境で働く人の50%が、また、背の低いパーティションに囲まれたブースで働く人の60%が、音的なプライバシーに関して不満を訴えているとのこと。

 

オープンオフィスの効果に関する学術研究も発表されています。論文の中身は見ていませんが、概要によればオープン化による騒音やプライバシー損失が労働スペースの不満の主な要因のようです。この結果は上記記事の内容とも一致しますね。

Highlights
・Satisfaction with IEQ changes depending on the degree of workspace enclosure.
・Occupants of different office layouts have different IEQ priorities.
・Noise and privacy loss identified as the main source of workspace dissatisfaction.
・Benefits of enhanced interaction didn't offset disadvantages in open-plan offices. 

Workspace satisfaction: The privacy-communication trade-off in open-plan offices - ScienceDirect

 

オープンオフィスの導入で社員間のコラボレーションにより新規アイデアが次々と生まれることを期待しても、実は従業員の集中力低下や職場への不満により以前よりも全体の生産性が低下することが多いみたいです。

 

 

近年、iPhoneに代わる革新的なプロダクトを生み出しているとは言い難いAppleですが、50億ドルの新社屋はイノベーションの源泉となるか、今年中に社員移転が完了すると言われるApple Parkの将来から目が離せません。

個人的にはApple製品は好きですので、ぜひこの働き方改革が成功することを祈っています。

 

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