最近スマホのシェアを急速に伸ばしているファーウェイが、将来に訪れるであろう5Gの活躍産業についてのレポートを発表しました。
5Gが支える10の産業分野
中国Huawei Technologies(ファーウェイ)社は2017年11月20日、同社の研究プラットフォーム「Huawei Wireless X Lab」がまとめた調査報告書「5G Unlocks A World of Opportunities~Top Ten 5G Use Cases」を公開した
ファーウェイが自社の研究チームがまとめた5Gに関する報告書を公開しました。
調査報告書はコチラからダウンロードできます。
5G技術の関連性の高さとマーケットのポテンシャルの高さを両軸にとり、合計で24のユースケースを調査した上で最も5G活用が有望視される10のユースケースについて深掘りされています。
5Gが有望視される10のユースケース
10のユースケースをズラッと並べてみます。一部は既に実用化されていますし、パーソナルAIアシスタントのように最近ホットなトピックもありますね。
- AR
- コネクテッドカー
- スマートマニュファクチャリング
- スマートエナジー
- ヘルスケア
- ホームエンターテインメント
- ドローン
- ソーシャルネットワーク
- パーソナルAIアシスタント
- スマートシティ
おそらく全てに共通することは、個人が楽しむものでも社会の基盤となるものでも、大量のデータをリアルタイムに近い低遅延で運ぶ必要があるということでしょうか。
もちろん5Gだけがあれば実現可能というわけではなく、ARでもコネクテッドカーでもその大量のデータを生み出すデバイスが末端に存在しますし、データが運ばれる先には人工知能に代表される分析技術とそれを動かすためのITが存在するわけですから、5Gの登場で恩恵を受ける企業は少なくないように思いますね。
米国の5Gの担い手は
米国では5Gの開発や関連標準・規制の導入を促している業界団体5G Americasが存在します。
その参加企業を見れば米国での5Gの担い手が概ね把握できると思います。今のところ以下の17企業がメンバーとして掲載されていました。
そうそうたるメンバーが並んでいますが、意外なのがベライゾンの名前が無いことですね。ここではない他の業界団体に所属しているのでしょうか。
そんなベライゾンは最近の「ネットの中立性」の議論に巻き込まれ、来月にベライゾンのショップで抗議集会が予定されているそうです。なんでも連邦通信委員会(FCC)の委員長が元ベライゾンの社員かつ顧問弁護士だったことでターゲットになったようですね。
「ネットの中立性」の撤廃が濃厚となってきた今、ファーウェイが予想する5Gの未来も一部の企業に集中することになるのかもしれません。
一投資家としてはそのような企業への投資は魅力的ですが、一方で健全な競争のない5G社会はそれほど明るいものではないかもと一消費者としては危惧してしまいます。
そこは米国の発展の歴史を信じて、ディストピアとならないことを期待しておきます。