P&Gからの配当金を受け取りました。P&Gの最近のトピックは物言う株主・ベルツ氏の取締役就任がどうなるかですね。
P&Gからの配当金
今月のP&Gからの配当金は12.38ドルでした。11月はその他の配当金と合わせて201ドルの配当金となりました。
2017年の配当金状況
2017年の月別の配当金と累積のチャートです。11月は配当が比較的多めでしたね。
配当金の累積は1,000ドル達成が目の前まで来ました。このままいけば12月に達成見込みです。
物言う株主・ペルツ氏のP&G取締役就任は秒読み?
10月のP&G株主総会では退けられたペルツ氏の取締役就任ですが、第三者機関による再集計の結果、選任された取締役の最小得票者を僅差で上回ったようです。
ペルツ氏率いるトライアン・ファンド・マネジメントはこの日、再集計を実施した第3者機関IVSアソシエーツによる正式な暫定結果では、P&G株主がペルツ氏を取締役に選出したことが示されたと発表資料で指摘。P&Gの発表によると、再集計はペルツ氏がセディジョ元メキシコ大統領に約4万2780株(約0.0016%)の差で勝ったことを示した。
P&G側はこの結果を精査した上で、最終結果を数週間後に発表するとのことですから、遅くとも今年中にペルツ氏の就任可否は結論がでますね。
ペルツ氏率いるトライアン・ファンド・マネジメントはP&Gの何を問題視していたか
P&Gの大株主の1つである彼らがP&Gの何を問題視していたのか、それについては彼ら自身がサイトを作成して公開しています。
サイトに上がっている力作のホワイトペーパーを見るとかなり細かな現状分析を把握できますが、ここではトップページにある主要な3点をピックアップしてみます。
1.長年に渡る株主総利回り(TSR:Total Shareholder Return)の不調
P&Gはここ10年の株主総利回り(TSR)が競合他社やベンチマークと比較して低調であったと彼らは主張しています。
株主総利回り(Total Shareholders Return)のことであり、株式投資により得られた収益(主に配当とキャピタルゲイン)を株価(投資額)で割った比率を指す。株式投資により一定期間で何%の収益が生み出されたのかを示す。
(中略)
企業単位のTSRは「一定期間における株価上昇率+一定期間における配当率(配当合計額÷当初株価)」により計算される。
彼らのホワイトペーパーでは、具体的な競合他社の名前を出した上でP&GのTSRの低調さをアピールしています。
2.製品別および地域別でのマーケットシェアの減少
ここ5年でP&Gは主要な20カ国で各カテゴリのマーケットシェアを減らしていると彼らは指摘します。
上記の表によれば、主要な3製品カテゴリを20カ国について調べた結果、過去5年間および3年間の両方において全60項目(3×20)のうち41項目のマーケットシェアが減少しており、 割合としては68%の項目でマーケットシェア減少となっています。
また自社資本による成長率の不調、EPS成長の弱さ、配当成長の鈍化についても他社と比べてよろしくない状況を説明しています。
3.過剰なコストカットと官僚主義
P&Gは2012年に4年で100億ドルのコスト削減をする計画を発表しました。結果、2016年までに目標の100億ドルコスト削減を達成できましたが、ペルツ氏らはそのコスト削減が業績改善に寄与していないと疑問を呈しています。
P&Gは2012年に導入した10年間の総額100億ドル(約1兆1260億円)のリストラ計画で、ブランドの一部売却・廃止、工場閉鎖、人員削減をしたにもかかわらず株価に反映できなかったと指摘。直近の追加のコスト削減計画の実効性に疑問を投げかけた。
また複雑化した組織構造のために意思決定が機能しておらず成長を阻害しているとし、よりフラットな組織構造に再編すべきと主張しています。
ペルツ氏の取締役就任の成否は来月発表?
P&Gによれば数週間後にこの問題の結論を発表するとのことで、今からですと12月に発表予定でしょうか。
トライアン・ファンド・マネジメントの作成したホワイトペーパーではさらに多くの論点でP&Gの課題を述べていますが、この内容を鵜呑みにすると競合として並べられているユニリーバやチャーチ&ドワイト、クロロックスなどに投資したくなりますね。
リスク分散の意味でP&G以外の生活必需品にも投資したいところですが、まずはこの就任がどう落ち着くかを見届けましょうか。どちらに転んでも配当王でもあるP&Gの業績回復を切に願います。
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