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レイ・ダリオ氏考案の個人向けポートフォリオを見て、自分のポートフォリオを再考したくなった話

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先日、アンソニー・ロビンズの著書『世界のエリート投資家は何を考えているのか』『世界のエリート投資家は何を見て動くのか』を購入しました。購入目的の一つは、レイ・ダリオ氏が本書のために考案した個人向けポートフォリオを確認することです。結果、自分のポートフォリオを見直す良い機会となりました。

 

 

世界のエリート投資家は何を考えているのか/何を見て動くのか

本書はカリスマ・トレーナーのアンソニー・ロビンズが金融世界のカリスマたちにインタビューして、彼らの投資等に対する見方・考え方を掘り下げたものです。

 

書籍は赤と青の表紙の2冊ですが、電子書籍限定で両方が一つになったバージョンがあり、私はそちらを購入しました。電子書籍版の方が書籍版を2冊買うよりもお得でした

電子書籍版 
世界のエリート投資家は何を考えているのか、何を見て動くのか【電子オリジナル版】

世界のエリート投資家は何を考えているのか、何を見て動くのか【電子オリジナル版】

 

 

書籍版
世界のエリート投資家は何を考えているのか: 「黄金のポートフォリオ」のつくり方 (単行本)

世界のエリート投資家は何を考えているのか: 「黄金のポートフォリオ」のつくり方 (単行本)

  • 作者: アンソニー・ロビンズ,山崎元,鈴木雅子
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 
世界のエリート投資家は何を見て動くのか: 自分のお金を確実に守り、増やすために (単行本)

世界のエリート投資家は何を見て動くのか: 自分のお金を確実に守り、増やすために (単行本)

  • 作者: アンソニー・ロビンズ,山崎元,鈴木雅子
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どんな経済下でも確実に利益を出せる「黄金のポートフォリオ」

本書のレイ・ダリオ氏へのインタビューの章である『どんな経済下でも確実に利益を出せる「黄金のポートフォリオ」 ――「想定外の事態」に負けない資産配分とリスク管理』を真っ先に読みました。

 

レイ・ダリオ氏は世界最大規模のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツの創始者です。先日は現在の米国経済の厳しい先行きについて多様なデータを用いて鋭い指摘をされてました。

www.businessinsider.jp

 

レイ・ダリオ氏のポートフォリオの特徴は「最大利回りと最小リスクを目指す」もので、特に損失をほとんど出さないことに強みがあり、2008年の金融危機では株式市場が50%も下落した一方で、レイ・ダリオ氏のポートフォリオは3.93%しか下落しなかったそうです。

 

本書ではそんなレイ・ダリオ氏が、どんな経済下でも利益を出せるポートフォリオを個人投資家向けに考案しています。そのポートフォリオに至るまでのレイ・ダリオ氏の考え方も非常にロジカルで興味深かったですね。

 

「個人投資家でも、投資で勝つことができるか?」

この質問に対して、レイ・ダリオ氏は「絶対勝てる!」と答えつつも次の点を指摘します。

  • ブローカーの意見にやみくもに従うだけではダメ
  • マーケットのタイミングを計ろうとしてもダメ。マーケットのタイミングを計るのは、無限の資金力を持ち、1日24時間投資し続けるプロの投資家を相手に、ポーカーでギャンブルするようなものだ。

特に2つ目は、頭では分かっていてもついつい市場の動きを見て投資のタイミングを計ろうとする自分に対する戒めですね。

 

「もし自分の遺産として子供に残せるものが、資産配分と投資原則だけだとしたら、何を残すか?」

本書でアンソニー・ロビンズはインタビューした人全員に上記の質問をします。これに対してレイ・ダリオ氏は短時間で伝えることは難しいとして一旦回答を断ります。

 

しかしそこで折れないのがアンソニー・ロビンズで、「リスク最小・報酬最大の資産配分をつくるための原則だけでも教えてくれないか?」と食い下がります。レイ・ダリオ氏はそこで次の点を教えてくれます。

 

  • 通常のバランス型ポートフォリオは、実はまったくバランスが取れていない。バランス型とは例えば株式50%:債券50%といったポートフォリオだが、リスクの点では株式は債券の3倍のリスクがあるため、先の配分ではリスクは株式95%:債券5%になる
  • ポートフォリオの大半は好況では利益が出るが、不況になると損失が出るようにデザインされている
  • 歴史的に見ると、ほとんどの投資商品に相関関係はなく、無作為に変動している。2008年金融危機では「株と債券は逆方向に動く」という相関関係の神話を打ち破って全ての投資商品が同時に暴落した
  • どんな投資商品でも理想的環境が整うと必ず大きな利益を生む。何事にも季節がある
  • 経済は「想定インフレ率より高い/低い」「想定成長率より高い/低い」の4つの季節として捉えることができる。ただし自然と異なりどの順序で訪れるかは分からない
  • 経済の季節は4つしかないから、各季節に適した資産配分に25%ずつ投資して、リスクを分散すればいい。リスクが同量の4つのポートフォリオを組み合わせれば、どんな経済的環境からも守られる

 

レイ・ダリオ氏はこの経済の季節に対するアプローチを『オール・ウェザー(全天候型)』と呼んでいます。オール・ウェザー戦略ならば、次に来る経済の季節が予想できなくとも資産は守られ成長することができると言います。

 

「読者が自分でも実行できる全天候型のポートフォリオの具体例をぜひ教えてくれないか?」

非常に複雑な投資戦略なため、オール・ウェザー戦略を個人投資家が実際に構築することはほぼ不可能のようです。そこでアンソニー・ロビンズは上記の質問を投げかけることで、個人投資家でも実行可能なオール・ウェザー戦略を引き出します。

 

注意点としては、本書で示されるポートフォリオは先の理由からレイ・ダリオ氏のオール・ウェザーとは同一ではないことです。あくまで個人投資家でも実行可能なものとするため、中核の原理原則を同じとしてよりシンプルな資産配分で構成されています。本書では区別のためこちらを「オール・シーズンズ戦略」と呼んでいます。

 

オール・シーズンズ戦略の具体的な配分はぜひ本書で確認いただくとして、私がオール・シーズンズ戦略をひと目見たときの感想としては「株式に比べて債券(国債)の比率がかなり大きい」というものでした。債券を多くする理由は先述のリスクバランス(株のリスクは債券の3倍)の結果です。

 

レイ・ダリオ氏に言わせれば、これくらいの配分で債券を持たなければあらゆる経済下で生き残ることはできないということでしょう。個人的にはiシェアーズの米国優先株式ETF(PFF)を債券代わりのつもりで投資していますが、確かに2008年の金融危機のときにはPFFも大きく下落していました

 

下記はPFF(青)iシェアーズ米国総合債券AGG(赤)のパフォーマンス比較ですが、2007〜2009年にかけてPFFが暴落している中でもAGGはほとんど下落していませんね。その後は両者ともに横ばいですが、また経済危機が訪れればPFFの下落は避けられないでしょう。

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もう一つの感想としては、今まで検討してこなかった「金」と「商品取引」がオール・シーズンズ戦略には含まれているのが興味深いと思いました。「金」「商品取引」はインフレ加速時に価格が上昇しやすいそうで、インフレ加速時に下落しやすい株式と債券のリスク軽減を想定しています。

 

特に「金」については、本書にも登場するウォーレン・バフェット氏とは真逆の投資方針ですね。バフェット氏は金は収益を産む資産ではないと考え、金に投資をしない方針を貫いています。この違いは、収益を目的とするか、リスク・コントロールを目的とするかに起因するのでしょう。どちらが正しいかではなく、何を目的にポートフォリオを構築するかに着目して金融商品を取り入れるべきと学びました。

 

自分のポートフォリオを再考してみたい

まだ本書のレイ・ダリオ氏のインタビューを読み終わったところですが、氏のリスク・コントロールに対する考え方はやはり大事ですよね。特に今の米国株は上昇傾向で相場も楽観的ですから、その流れを信じて100%株式に投資するといざ相場が反転したときには目も当てられない状況になりそうです。高配当を信じて投資した銘柄も無配に変わるかもしれません。

 

現在の私のポートフォリオは下記の通りです。仮にPFFを債券と見立てるとポートフォリオに占める債券比率は約2割となります。オール・シーズンズ戦略的には債券比率が不足しています。

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厳密にオール・シーズンズ戦略に従うかどうかは考えたいところですが、今後はリスク・コントロールの観点でもう少し債券への投資比率を高めたいと思います。個別の債券購入は手間ですので、投資するならやはり債券ETFですね。バンガードかiシェアーズの債券ETFへの投資を検討中です。株式が好調なときだからこそ、債券にも目を向けてしっかりディフェンシブなポートフォリオを構築していきたいところです。

 

山崎元氏による書評 

media.rakuten-sec.net

 

 

世界のエリート投資家は何を考えているのか、何を見て動くのか【電子オリジナル版】

世界のエリート投資家は何を考えているのか、何を見て動くのか【電子オリジナル版】